メソ研2018@関西大学

このページは、外国語教育メディア学会(LET)関西支部メソドロジー研究部会の2018年度第1回研究会@関西大学の招待講演「英語教育研究を始める前に考えておきたいこと」に関する資料の保管・公開場所です。

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引用文献

  • Allright, D. (2003). Exploratory Practice: Rethinking practitioner research in language teaching. Language Teaching Research, 7, 113–141. doi:10.1191/1362168803lr118oa 
  • 藤田卓郎. (2016). よりよい実践研究を行うための10のポイント. 第46回中部地区英語教育学会三重大会・英語教育研究法セミナー. Retrieved from: https://drive.google.com/file/d/0B-OpnEJKrYAdQzNRb1pDY0pQaUE/view
  • Nunan, D. (1992). Research methods in language learning. Cambridge University Press.
  • 竹内理・水本篤 (編). (2014). 『外国語教育研究ハンドブック: 研究手法のより良い理解のために (改訂版)』東京: 松柏社.
  • 浦野研・亘理陽一・田中武夫・藤田卓郎・髙木亜希子・酒井英樹. (2016). 『はじめての英語教育研究: 押さえておきたいコツとポイント』東京: 研究社.
  • 吉田達弘・玉井健・横溝紳一郎・今井裕之・柳瀬陽介 (編). (2009). 『リフレクティブな英語教育を目指して: 教師の語りが拓く授業研究』東京: ひつじ書房.

Invited talk at ACLL2018

This page is for my talk at ACLL2018: The Asian Conference on Language Learning 2018, held on April 27–29 at Art Center Kobe (Kobe, Hyogo), titled:

Task-based language teaching in an English for business purposes program

Abstract:

Task-based language teaching (TBLT) is not a new notion in Asia, with relevant books published and researchers and practitioners sharing ideas and experiences at various meetings and conferences. To the contrary, discussions about actual implementation of TBLT seem to be still limited, and especially in Japan, attempts to adopt a task-based curriculum are mostly, if not all, made by individual teachers, rather than language programs or schools.

At the same time, there are people in Japan who need to use English in their professional lives, and an increasing number of universities are offering English for Specific Purposes (ESP) courses to accommodate the future needs of their students. TBLT is a goal-oriented approach to language teaching, and is therefore compatible with ESP, which is by definition goal-oriented.

In this talk, I will share my experience in developing and implementing task-based courses in English for business purposes at a private university in Sapporo, Japan. In TBLT, target tasks (i.e., the tasks that learners need to carry out in their life) are first identified through needs analysis, and then a series of pedagogic tasks are derived by adjusting the complexity of the target tasks and sequencing them from the simplest to the most complex. I will first introduce theoretical and empirical bases for developing and sequencing pedagogic tasks, and show the actual process of syllabus and material design for the two of the business English courses I am in charge of, one for business email writing and the other for business presentation.

Keynote slide:

2017年を振り返る

あれよあれよという間に2017年も終わります。年を越す前にざっと一年間を振り返りましょう。

Task, task, task!

2014年の終わりぐらいから、タスク・ベースの言語教育(task-based language teaching: TBLT)を日本に根づかせるために労力を割いてきましたが、今年はそれがひとつ実を結びました。名城大学の松村昌紀さんを焚きつけて説得して企画した『タスク・ベースの英語指導: TBLTの理解と実践』(Amazon.co.jp)が7月に出版されました。理論面、実践面のどちらかに偏ることなく、TBLTの理念とその実現例を示したいとずっと考えてきたので、編者で筆頭著者でもある松村さんの他、共著者の福田くん、田村くん、川村さんと一緒にこの本を上梓することができたのはとてもうれしいことでした。

2015年のJALTでTBLTに関する招待講演を行い、松村さんに声をかけて聞きにきてもらいました。実はその前にも彼とTBLTについて(飲みながら)じっくり話をする機会があり、すでに『タスクを活用した英語授業のデザイン』を書いていたけど、新たにTBLTの理念までしっかり丁寧に解説する本を書きましょうとけしかけてはたらきかけました。それなりに苦労もありましたが、この本が無事出版されたのはとてもうれしいことでした。だってこれから先、TBLTについて話をするときに「まずはこの本を読んでください」と言えますから。

TBLTについては、分野的に関連性の高い特定目的のための英語(English for specific purposes: ESP)教育に関するものとあわせ、いくつかの学会等で話をする機会を得ました。

話をする度に自分の考えを整理し直すことになるので、上掲書には書ききれなかったことや、その後の議論の中で新たに考えたことなどがたくさんあります。日本におけるTBLTの実例については、英語で書かれたものがまだあまり多くないので、今後はそちらにも力を入れたいとも考えています。

国内外の学会に参加する中で、TBLTに興味のある方や、TBLTの研究や実践を行っている方との出会いもありました。そんな経験を活かして2018年もTBLTについて発信していきたいと思います。とりあえずTBLTの話をすることになっているのは:

ですが、他にも各地でTBLTの話をしたいと思います。

Bike, bike, bike!

気持ちは若いものの肉体的には無理のきかない年齢になりつつあります。運動など一度も長続きしたことがなかったのですが、同業者の間で自転車が密かに人気だったこともあり、5月にいわゆるクロスバイクを買いました。これが案外しっくり来て、大して筋肉がないにもかかわらずそこそこ風を切る体験を味わうことができ、サイクリングロードをはじめ自転車に向いた道の多い札幌という土地柄にも助けられ、雪の降るまでの半年間じっくり自転車に乗ることができました(トータルで1,500km以上走りました)。

基本的には早朝、5時半ぐらいから1時間程度乗る形で、仕事などにもほとんど影響のない形での運動を週に2回ほど続けました(その分夜は早く寝るようになりました)。食事や飲酒については従来とほとんど変えることなく、運動だけでどのぐらい健康状態が改善するかの実験でもありましたが、8月の健康診断では、ずっと高値安定だった肝臓の数値も大幅に下がり、ウェストも数センチ引っ込みました。

札幌の長い冬の間は自転車に乗ることができません。仕方がないのでフィットネスバイクを購入し、毎日30分乗っています。冬真っ只中ですが、雪融けが待ち遠しい今日このごろです。

終わりに

この一年、他にもいろんなできごとがありましたが、すべてを語ることはしないでおきましょう。来年から再来年にかけても、順調にいけば共著の本が複数出る予定ですし、話しておきたいこと、書いておきたいこともいろいろあります。仕事もあるし、私生活もあるし、時間配分は簡単ではありませんが、今後もできることをできる範囲で、背伸びはせず、かといって怠けもせずに進んでいこうと思います。

この記事の写真は、1月に10年ぶりに訪れた第二の故郷ホノルルで撮影したものです。2018年がみなさんにとって素敵な年でありますよう。

JASELE2017

全国英語教育学会(JASELE)第43回島根研究大会が2017年8月19–20日に島根大学(松江市)で開催されます。 僕は以下のタイトルで発表を行う予定です:

「教室外での英語使用・英語学習をうながす取り組み」

投影資料

予稿集原稿

関連文献

新著紹介(TBLT)

大修館書店より間もなく共著書が出ます。名城大学の松村昌紀さん(『英語教育58の鍵』や『タスクを活用した英語授業のデザイン』を書いた、僕の尊敬する英語教育研究者)が中心になって5名で書いたタスク・ベースの言語指導(task-based language teaching: TBLT)に関する一冊です。

『タスク・ベースの英語指導:TBLTの理解と実践』(Amazon.co.jp

TBLTについては僕もあちこちで話をしてきましたが、本書はその理論的背景を解説し、小中高大それぞれの教育現場においてTBLTがどのような形で実現可能か、具体例を交えて紹介した一冊です。「タスク」を単なる活動の一種としてとらえるのではなく、シラバスやカリキュラムという大きな視野にたって授業の作り方を考えることを提案していますし、ある意味発想の転換をうながすことを目的としてもいます。

僕自身はほんの一部(第8章)を執筆したのみですが、全体を通してTBLTの理念が丁寧に語られているので、今までTBLTの理論に触れてこなかった方にもぜひ手に取っていただきたいと思っています。

詳しくは実際に読んでいただくのが一番ですが、本書の、いやTBLTの特徴は、帯にもある「教室外でも機能する英語使用者を育てるために」ということばによくあらわれています。「実用」とか「使える英語」と聞くとなんとなく薄っぺらいものを想像してしまうことも多いですが、本書の著者はみな「使える英語」がどのようなものなのかを真剣に考え、それを文章にしました。

奥付を見ると発行日は7月10日となっていますが、6月末には書店に並ぶようです。24日・25日に信州大学教育学部(長野市)で開催される中部地区英語教育学会の年次大会には著者全員が参加しますので、そこで直接話を聞いて、できればそのまま大修館のブースに行って注文してくれると嬉しいです。

この本については色々思うことがありますが、それについては別の機会に譲るとして、まずは出版のおしらせと宣伝をさせていただきました。

日英・英語教育学会第18回研究会

5月27日に広島大学で開催された日英・英語教育学会第18回研究会に講師としてお招きいただきました。残念ながら都合がつかず当日はビデオでの参加となりましたが、いつもどおりスライドを公開します。

講演資料ということで普段より文字が少なく、これだけ見てもよくわからない部分もあるとは思いますが、ご参考までということで。

Invited talk at IICEHawaii2017

This page is for my talk at IICEHawaii2017: The IAFOR International Conference on Education—Hawaii 2017, held on January 8–10 at Hawaii Convention Center (Honolulu, HI), titled:

Developing and implementing an English for Specific Purposes syllabus for business majors in Japan

Abstract:

English is a compulsory subject in secondary education in Japan, but most students, as well as teachers, do not have a clear goal for learning it because the number of people who actually need English in their lives is rather small. However, there is a certain demand for training of English for Specific Purposes (ESP) in such fields as engineering, medicine, and business, where communication in English is sometimes unavoidable. Such a demand is best accommodated at universities and colleges where the curriculum is set to help students develop skills to work in certain professions. In this talk I will first provide an overview of research and practice in ESP in Japan. I will then share my own experience as a teacher and curriculum developer at my workplace, where students learn English for business purposes.

Keynote slide:

Conference website:

http://iafor.org/conferences/iicehawaii2017/

(またまた)振りかえる

大晦日に1年を振りかえるのも今年で3年連続。さて、2016年はどんな感じだったでしょうか。

啓蒙的な活動

研究者としては致命的なぐらい書くことが嫌いな僕ですが、今年は共著で一冊本を出しました。詳しくは以下の記事をご参照ください。

本を書く

『はじめての英語教育研究』というタイトルで7月に出版しましたが、この本を出すきっかけとなった研究法セミナーは2005年に始まったので、本の完成まで11年かかったことになります。フルタイムの研究者として過ごしてきたのとほぼ同じ時間をかけたわけで、感慨深くもありますし、ひとつの区切りがついたとも感じています。

客員先で修士論文の指導をしていることもあり、研究法については折りに触れ説明する機会がありますが、これからは「『はじめての』を読んでおいて」と伝えることで済ませられると期待しています。

本といえば、もう一冊共著の本の執筆が進んでいます。こちらはタスク・ベースの言語指導(Task-based Language Teaching: TBLT)に関するもので、僕の貢献は微々たるものなのですが、この本が出ることに大きな意義があると思っています。これについては、編者も含めた共著者をうまいこと焚きつけることができた時点で僕の使命は果たせたとも言えるでしょう。現在鋭意編集中で、出版されるのは春ごろになる予定です。(僕の手柄ではありませんが)かなり突っ込んだ議論も展開されているので、多くの英語教育関係者のみなさんが手にとっていただけることを願っています。

TBLTについては、昨年の振りかえりでも書いたとおり、自分の研究資源を重点的に割り当てるつもりでいました。そういう意味でも本の形でまとめられることができることには満足です。ただ、まだまだ伝えたいことはたくさんあるし、特定目的のための英語教育(English for Specific Purposes: ESP)とTBLTの連携については特に力を入れたいと考えているので、2017年以降も、おそらくは数年という長めのスパンで取り組んでいくつもりです。このテーマに関する発表や講演を今年もいくつかやってきましたし(これとかこれ)、2017年にもあちこち出かけてESPとTBLTに関する話をする予定でいます(一番近いところでは再来週にハワイでこっそり話してきます)。

研究活動

研究というか、論文の執筆は今年も全然ダメでした。TBLTやESPのものも研究の一部ではありますが、一応主戦場と考えているのは第二言語の統語規則や形態素の習得なので、そちらについては今年の業績はほとんどありません、トホホ。新たな実験のラフなアイディアは用意できているので、来年はなんとかしたいところです。もっとも、上記の啓蒙活動とのリソースの奪い合いになるので、どう折り合いをつけるべきかよく考えないといけません。なんとなくもう一冊ブック・チャプターを書く話があった気がするのですが、今夜は思い出さないことにします。

ということで研究関連の執筆活動については昨年の課題をほぼすべて来年に持ち越すことになりました。書くことが嫌いで嫌いでしかたがないのですが、そんなことばかり言ってられないので、来年こそは少しでも手をつけねば。

おわりに

研究の他にもいろいろなことのあった1年でした。学内の業務も種類は多くないものの、ひとつひとつが重かったですし、来年度にはまたひとつ大きな仕事が待っています。教育の点では、来年度はじめて学部の演習(ゼミ)を担当します。こちらについてはゼロからのスタートなので、試行錯誤しながら何かおもしろいことをしかけられたらと思っています。

Eテレではマーラーの交響曲第8番の最後の最後を放送しています(ヤルヴィ指揮、N響)。3月に放送されるようなので楽しみにしましょう。ということでこの辺で。今年もお付き合いいただきありがとうございました。2017年がみなさんにとって素敵な年でありますよう。

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