小山実稚恵ピアノシリーズ第6回

SNSに投稿するにはちょっと長くなったので久しぶりにブログ記事にしました。

今年度も出張が全然ないため、かなりの勢いでコンサートに出かけています。11月は特に多くて全部で5回。オーケストラの演奏会が中心ですが、昨日は久しぶりにピアノのリサイタルでした。

聴いたのは小山実稚恵さんのベートーヴェン・シリーズ第6回目。本来ならこれが最終回ですが、延期になったものがあるため入れ替わりがあるそうです。今回はシューベルトの19番とベートーヴェンの32番という組み合わせ。ともに後期のソナタでしかもハ短調。組み合わせの妙ですね。

 

会場はキタラの小ホール。最初に小山さんご自身による短いレクチャーがあり、ベートーヴェンとシューベルトへの思いを聞きました。

シューベルトのソナタを生で聴くのははじめて。レクチャーでは休符について話されていたので、それについて考えながら聴きました。音のない時間を意識できるのは、空気を感じることのできる生の演奏ならではですね。第2楽章の入りで少し間をとりましたが、それ以外は間断なく次の楽章に進み、集中力の高い演奏でした。

休憩を挟んでベートーヴェン。32番は一番好きなソナタで、実演に触れるのはピレシュの演奏を聴きに大阪まで行って以来。第2楽章の冒頭ではいつも心が揺さぶられます。小山さんの演奏は力強さもあり、祈りのような響きもあり、ピアノ曲というよりもっと大きな音楽を感じました。

アンコールはシューベルトの即興曲作品90-3。ベートーヴェンの終わりを引き継ぐようなやわらかい響きを堪能しました。

このシリーズは、延期になっている第3回目が来年5月28日に開催されるそうで、時間が合えば是非聴きたいと思います。ベートーヴェンの30番とバッハのゴルトベルク変奏曲というこれまた素敵な組み合わせ。

札幌コンサートホールKitaraは中島公園の中にあり、コンサート前は公園を歩くことで心が穏やかになります。自宅から歩いて30分ほどなので、天気が悪くなければちょうど気持ちのよい散歩になります。

今月はコンサートがあと3回。次にキタラに足を運ぶのは23日のバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会です。これも前から楽しみにしていたもののひとつ。