2020年を振り返る

この一年については、みなさんと同じく僕も普通には語ることのできない経験の連続でした。この振り返りもこれまでとは少し違ったものになると思います。

できなくなったこと

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初予定していた多くのイベントが中止になりました。

職場(北海学園大学)で中止になった主なイベント

  • ゼミ研修旅行(マレーシア、フィリピン)2月末から3月
  • ゼミ研修旅行(台湾)3月
  • 経営学部海外総合実習(カナダ)9月

2つのゼミ研修旅行、特にマレーシア研修の方は出発直前になってやむなく中止になりました。企画段階から半年近く準備してきた学生たちには本当にかわいそうなことをしました。9月のカナダ研修も今年は4年ぶりに引率する予定でしたが残念ながら中止に。僕個人としても、年始までに予定していた3つの海外出張がすべてキャンセルになるとは想像していませんでした。

研究関連で中止になった主なイベント

  • 中部地区英語教育学会(愛知)6月
  • 全国英語教育学会(長野)8月
  • 日本第二言語習得学会(静岡)8月

他にも中止になったイベントはたくさんありますが、この3つについては僕が運営委員または実行委員を務めるものだったのでとても残念でした。中止といってもすべて延期扱いなので、当初と形は変わりますが2021年に無事実現できればと思います。

研究関連のイベントは、他のものもほぼすべてが中止もしくはオンライン開催への移行となりました。いくつかのオンラインイベントに参加しましたが、僕は物理的に人が集まってワイワイガヤガヤやるのが好きなんだと再確認することとなりました。学会や研究会では、もちろん個々の発表や講演から学ぶことも多いのですが、僕が求めているのは休憩時間や懇親会などの時間・空間にざっくばらんに研究について語り合う体験だったのだと思い知らされました。来年もこのような状況はある程度続くと思いますが、できればそういった「ざっくばらん」な体験を増やす仕掛けを作っていきたいと考えています。

ではお前は何をしてきたのだ

教育関係でも研究関係でも多くのイベントが中止になり、じゃあ自分は何をしてきたのだとあらためて振り返ります。今年に関しては、職業人としてのエネルギーの大半は教育に費やしてきたというのが正直なところです。前期はすべての授業がオンラインでの実施となりましたが、8月までのほぼすべての勢力をそこに費やしたと言っても過言ではありません。オンライン授業を行うだけのスキルは持っていたと思いますが、例年以上にひとりひとりの学生へのケアやフィードバックに労力を割いたので、それ以外のことを考える余裕はありませんでした。

後期になって対面授業が再開されましたが、感染症対策への気配りに気疲れしましたし、11月以降はハイブリッド授業(教室の学生とZoomで遠隔参加する学生両方をあわせた授業)を行うのにいっぱいいっぱいでした。

A new hope…, maybe…

こうやって振り返るとただただしんどかったという感想ばかりですが、決して辛かったとか悲しかったわけではありません。教育関係では新しいやり方に自らを順応させつつ、これまでとは違ったやり方も試してきました。外国語教育で重要であるフィードバックの提供方法については、オンライン授業ならではのやり方を試しながら、対面授業にも組み込める(これまでよりも効果が高いと思えるもの)もみつけることができました。

研究関係については正直ほとんど進展がなかったと認めざるをえないのですが、それでも新しい研究のアイディアのきっかけになりそうな研究書や論文を読むことも(少しは)できたので、来年にはなにか新しいことが生まれることを期待しましょう。

2020年の学会・研究会での発表は、諸々の規制が始まる前に沖縄で行ったメソ研のものひとつだけでした(依頼された講演などはありましたが割愛します):

それでも、上記発表に基づく論文は2021年に出版される書籍に収録される予定ですし、この他に研究仲間と執筆中の研究書も出版されるはずです。

おわりに

年末の振り返り記事に載せる写真は、その年に出かけた海外出張で(愛機Fujifilm X-E2で)撮影したものにしていたのですが、2020年度は一度も海外に行く機会がなかったので2019年に出かけたベルギーで撮影したものです。海外どころか道外にも、もっといえば札幌市外にも2月以降出ていません。これだけ長い期間飛行機に乗らなかったのは1997年以来のことです。いやはやそんな一年だったと思い返しつつ、来年のどこかのタイミングでは、海外かどうかはわかりませんが飛行機に乗った出張に行けることを願っています。こんな一年を過ごしてきてあらためて実感しましたが、旅をするのが好きなのですよ、僕。

N響の第九を聴きながら書く振り返りのブログ記事もそろそろ終わりにします。来年もまだしばらくはあれこれ落ち着かないことと思いますが、少しずつであっても以前の生活が取り戻せることを願いつつ、今自分に何ができるか、何をすべきかをこれまで以上に意識しながら生きていきたいと思っています。