本を書く

今回は自著の宣伝です。7月21日に研究社から『はじめての英語教育研究:押さえておきたいコツとポイント』という本が出ます。どんな内容かは書名がよく表していると思いますが、英語教育の世界でこれから研究を始めようという方が最初に手にする研究法の入門書という位置づけで執筆しました。

この業界には、『外国語教育研究ハンドブック:研究手法のより良い理解のために』(松柏社)という素晴らしい本があり、僕も大学院生など多くの方にお薦めしていますが、僕たちの書いた『はじめての』は、この『ハンドブック』よりさらに研究の入口に近い部分に重点を置いています。「なぜ研究をするのか」、「どのように研究テーマを決めるのか」、「何のために先行研究を読むのか」といった解説を通して、『はじめての』が、これからはじめて研究をしようとする方と『ハンドブック』との橋渡しになればと願っています。

2005年から2013年まで、中部地区英語教育学会で「英語教育研究法セミナー」を主催しました(セミナーは共著者の亘理陽一さんを中心に現在も続いています)。また、同じ学会で「英語教育研究法の過去・現在・未来」というプロジェクトも企画しました。本書は、こういったこれまでの取り組みの集大成という意味合いを持っています。

詳しい内容については書店等でぜひ手にとってご覧いただければと思いますが、「はじめに」の最後の段落だけここに紹介します。

本書の中でも繰り返し述べていますが、研究は他の研究との関係なしでは存在しえません。同様に、研究者も他の研究者とのネットワークがあってはじめて活躍できるのだと私たちは考えています。本書を手に取ったみなさんが、研究を通じて様々な形でつながり、英語教育研究全体を一歩前に進めてくれることを願っています。

研究会のお知らせ

11月17日(土)に信州大学教育学部で研究法に注目した研究会を開催します。参加費は無料で事前申し込みも不要です。多くの方のご来場をお待ちしています。公開できる配布資料を随時アップロードします。

当日のTwitterでのつぶやきは、Togetter で確認できます

大会プログラム(PDF)

中部地区英語教育学会・長野地区2012年度第2回研究会

テーマ :「英語教師にとっての探究法―研究と実践―」

日 時: 2012 年 11 月 17 日(土) 9:00 ~ 17:00

会 場: 信州大学教育学部館 W 館 506 号室

主なプログラム:

  • 午前の部
    • 「出張」研究法セミナー
      • 「統計処理」の意味(浦野研). 配布資料.
      • 「単一事例実験計画の方法とその実際」(内田健太郎).
      • 「調査研究の方法とその実際」(本田勝久). 配布資料.
      • 「質的研究の方法とその実際」(髙木亜希子). 配布資料.
      • 「探究的実践の方法」(酒井英樹). 配布資料.
  • 午後の部
    • 特別セミナー「Journal 編集の立場から」(酒井英樹・浦野研). 配布資料.
    • 基調講演「英語教師にとっての探求法」(亘理陽一). 配布資料.
    • パネルディスカッション「教育と研究の接点: Action Research と Exploratory Practice の可能性」(酒井英樹・髙木亜希子・本田勝久・亘理陽一・浦野研).

NanoGongを使ってMoodleで声の録音&提出

NanoGong はオープンソースのJAVAアプレットで、Moodle にインストールすることでPCに内蔵または接続したマイクを使って音声を録音し、それをそのまま提出(アップロード)できるようになります。The Gong Project という大規模なプロジェクトの派生版ですが、ストリーミングのような機能を省いたために、別途サーバを用意する必要もなく、Moodle に簡単にインストールできるため導入へのハードルが低いです。

日本語の情報があまりなさそうなので、インストールの流れについてメモしておきます。基本的にはこちらの英語のページの指示通りにやってOKでした。うちの Moodle のバージョンは 1.9.11+ で、そこに NanoGong 4.1 をインストールしました。

まずは NanoGong のサイトを訪れ、ページ右の Download FREE! ボタンをクリックします。

次のページで氏名やメールアドレス等を入力して Submit ボタンを押すと、アプレットをダウンロードするための URL の書かれたメールが届きます。

メールで指定された URL をブラウザで開き、必要なファイルをダウンロードします。ダウンロードするのは全部で3つ。すべて zip 形式で圧縮されています。まずは最新版の NanoGong Activity Module。これがメインになります。次に NanoGong Filter。これは Moodle のマルチメディア・フィルタと同様の動作を NanoGong にも適用させるものです。最後に NanoGong HTMLArea Patch Files。これは Moodle の HTML エディタから NanoGong を呼び出して音声を録音して貼り付ける機能を追加するためのものです。

以上3つをダウンロードしたら、それぞれを解凍して Moodle 上の対応するディレクトリにアップロードします。Module は moodle/mod/ の下に、”nanogong-module-4.1.zip” を解凍してできた nanogong というフォルダごとアップロード。その後 admin 権限のあるアカウントで Moodle にログインし、ページ左上の Notifications をクリックすると自動的にインストールされます。

次に Filter のインストール。こちらは moodle/filter/ の下に “nanogong-filter-4.1.zip” を解凍してできた nanogong というフォルダごとアップロード。そして Moodle のトップページ左にある Site Administration の検索窓に filter と入れて検索すると出てくる Manage Filters というページで、NanoGong のフィルターをからに変更します。

最後にパッチのインストール。”nanogong-htmlarea-4.1-moodle-1.9.XX.zip”(Xの部分は該当するバージョンが入ります)を解凍してできた lang と lib というフォルダを moodle 直下にアップロードします。ここで一部既存のファイルを置き換えることになるので、FTP で警告が出たら overwrite を指示してください。念のため、元々あった lang と lib はバックアップを取っておきましょう。

これでインストール作業は完了。Moodle にログインすると、Add an activity… メニューの中に、あらたに NanoGong が見つかると思います。そちらをクリックすれば NanoGong アクティビティを追加できます。

指定できるのは、Color(アプレットの背景色)、Maximum Number of Messages…(ひとりが投稿できる回数;ゼロにすると無制限)、Maximum Duration… (1回の最長録音可能秒数)、Maximum Score (配点)等です。

上記を設定して保存すると、学生は NanoGong のアクティビティを選択できます。

下のようなページが開くので、フォーラムの様にタイトルや本文を入力することができます。また Audio Message のところのアプレットを使えば、自分の声を簡単に録音することができます。左から、三角が再生、赤丸が録音、四角が停止ボタンです。その横にはプレイバックのスピードを上げたり下げたりするボタンが、そして一番右のボタンは録音した音声ファイルをローカルに保存するためのボタンです。音声をアップロードするだけなら、保存はせずにただ録音だけしておいてから Submit the Message ボタンをクリックすればOKです。

教師の側から見ると、学生ひとりひとりの投稿が一覧表示され、その場で音声の再生ができます。またコメントを入力したり、採点したりも可能です(通常のフォーラムに準ずる形式と言ってよいと思います)。

説明は省略しますが、NanoGong アクティビティを使わなくても、通常の HTML エディタにパッチをインストールすることで追加されたボタンをクリックすることで、NanoGong アプレットをどこでも呼び出すことができ、録音した音声は HTML エディタ上で貼り付けることも可能です。

インストールしてちょっと試したばかりなのでこれ以上詳しいことはわかりませんが、とりあえず NanoGong が使えるようになるまでの手順の紹介でした。

新年のごあいさつ

上の画像は今年の年賀状(仕事用)ほぼそのままです。ネット上でお付き合いのある方の多くとは年賀状の交換をしていませんので、こちらにてごあいさつさせていただきます。ちなみに写真はハワイ島ヒロで2007年に撮影したものです。

2010年を振り返って

2009年度までは学内の委員会業務2つほどに時間的にも気分的にも振り回されていました。2010年度はその委員から外してもらえるということでほっと一息つける予定だったんですが、諸事情によりスタッフに欠員が生じ、1年間は授業以外の仕事を実質1.8人分ぐらいこなすことになってしまいました。予想外のことでしたし、正直言ってかなりしんどかったわけですが、それでも後任人事も無事に決まり、あと4月になれば少しずつ業務を引き継ぐことができるので、それまでの辛抱です。

研究活動の方は相変わらず不作で、しばらく彷徨っていた共著の論文1本と単著のもの1本が無事活字になったぐらいです。こんなことじゃいかんなぁ。

教育活動は、ここ何年かは同じ授業を担当しているので、2010年もこれまでのやり方をベースに、一部教材やアクティビティに手を加えてきました。その他には、twitter では何度かつぶやいていますが専門業者による英語コミュニケーション能力テストを色々試させていただきました。教育とは、本質的には何を教えたとかどんな活動を行ったかではなく、その結果学習者が何をできるようになったかが重要です。そこで、僕も含めて今うちの学部で行っている英語教育が、学生にどんな力をつけているのか、もしくはいないのかをきちんと測定することは、教育的にとても大切なことだと考えています。2010年には、特にスピーキングやライティングの能力を測定するテストを探すことに時間を割きました。僕の担当する授業には、たとえば半期15週かけてビジネス文書を作成する能力を身につけることを目標にするものがありますが、このような授業を受けた学生の実力をきちんと評価したいという気持ちが強いからです。

学外の活動としては、特に後期に入ってからは以前こちらで書いた学会関係の3つの仕事が本格化し、そちらにかなりの時間を割きました。お金にはなりませんし、自分の研究・教育業績に大きく貢献するものでもないと思いますが、誰かがやらなければならないことだし、誰かの役に立っているとも思いますので、今後もコツコツと励みたいと思います。

2011年に向けて

学内的には4月に新たなメンバーを仲間に迎えることになり、これをきっかけに色々新しいことに挑戦していけたらと思っています。主に教育活動になりますが、カリキュラムの再検討と、業者テストの新規採用も含めた評価体系の見直しを徐々に行っていく予定です。幸い4月に来ていただける方は English for Specific Purposes (ESP) のエキスパートなので、力を借りてがんばります。

委員会業務としては学部の某委員会の委員長を拝命する予定です。それほど忙しい仕事ではないはずですが、神経をすり減らすというか、ちょっと気を遣う仕事なので少々気が重いです。その他には大きな仕事は(今のところ)来ない予定です。

学外の活動としては、間もなく完成予定の中部地区英語教育学会40周年記念DVD-ROM制作の仕上げをまずがんばります。次に大きいのが日本第二言語習得学会(J-SLA)の年次大会の実行委員長の仕事。大会直前にどのぐらい忙しくなるのか見当もつきません。あとはすでに本格化している日本語学教育学会(JALT)の JALT Journal 日本語編集者としての仕事。これが思っていた以上に大変で、しばらくは振り回されることになりそうです。何しろ投稿されてくる論文をすべて査読するような気持ちで読む必要があるわけで、JALT Journal の一査読者だったころは年にせいぜい2, 3本の論文を見ていたのが、ここ3ヶ月でそのウン倍読みました。いやはや。

その他には、春から某全国学会の事務局長のお手伝いをさせていただくことになりそうです。こちらについてはまだ詳しいことは知らされていませんが、楽ではないですよね、きっと。

そんなこんなでどうしても後回しになりがちな研究活動ですが、やってみたい研究や分析が3つほどあります。時間をみつけてできるところから手をつけ、可能ならば結果をまとめて発表していきたいと考えています。あぁ時間が欲しい。もしくは共同研究者が欲しい。SLA で特に形態素の習得に興味のある方や、ICT 利用教育やライティング指導あたりに興味のある方で、一緒に研究してくれる方がいてくれるとほんとにありがたいんですが、そもそも近場に同業者がほとんどいないので、なかなかそれも難しい。

おかげさまで2人の娘も順調に成長し、週末や休日等はできるだけ家族サービスに時間を使いたいと考えています。ワーク・ライフ・バランスをどう取っていくか、これも2011年の課題になりそうです。

Twitter でブツブツ言うことに慣れてしまうとブログでまとまった文章を書くのがつい億劫になってしまいますし、読んでる方にとっても長文はめんどくさいかなぁとも思います。こんな僕ですが、今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いします。

料理当番

土曜日でしたが朝から夕方までしっかり働いてきました。

帰りにスーパーで買い物をして、今夜は料理当番。ほんとは明日知り合いのT先生のご自宅でのワイン会にお呼ばれしていたのですが、残念ながら雨で中止になってしまったので、その分今夜飲みました。

仕事帰りということで多少シンプルに2皿作りました。前菜は帆立のポワレと銀聖(日高産のブランド鮭)のスモーク、グレープフルーツ添え。銀聖はスモークしたものが売られていたのでそのまま。ホタテは塩コショウをしてから強力粉をまぶし、オリーブオイルで両面を焼きました。皿に銀聖とグレープフルーツの切り身を盛りつけ、ベビーリーフを何枚か敷いた上にホタテを乗せてからグレープフルーツのドレッシングを振りかけて完成。素材が良ければおいしいに決まっているという感じの一皿になりました。ちなみに、ドレッシングはグレープフルーツの絞り汁に塩コショウをして、絞り汁と同量のエクストラバージン・オリーブオイルを入れてからよくかき混ぜて乳化させればできあがり。酸味が足りなければレモンやスダチなどを足してもいいですが、シンプルでトマトなどにもよく合います。

メインは牛ヒレ肉のタリアータ、カポナータ添え。タリアータの方は山形県産の牛ヒレ肉(今日は3割引)に塩コショウをしてからオリーブオイルで焼いて、それをカットしただけです。カポナータはいろんな野菜をじっくり炒めてからトマトで煮込みます。今日はナス、タマネギ、ズッキーニ、ニンジン、ピーマンを入れ、トマトはカットトマトの缶詰を使いました。とにかく野菜を丁寧に炒めてうまみを引き出すのがポイント。味つけは塩コショウのみです。

どれもそれほど手間のかかる料理ではありませんが、素材の味を楽しみました。明日はワイン会が中止になった分家族サービスにつとめることになりそうです。

仕事が重なります

ブログの投稿は夜しようと思っているのですが、だいたい酔っ払ってるか疲れ果てているか(もしくはその両方)でかないません。というわけで帰宅前に書いてみることにします。

これからしばらく、学外の仕事が今までより忙しくなります(学内の仕事はこれまでどおりに忙しい)。主に3つの業務があるんですが、近況報告を兼ねてご紹介します。以下、終了予定が早い順に:

1. DVD形式の論文集の作成(年内いっぱいか、年明け早々に終了予定)

中部地区英語教育学会では、40周年を記念して紀要全40号(含2011年春発行の最新号)を DVD-ROM に収録したデータベースを会員に配布する予定です。僕はその DVD 作成メンバーのひとりで、他の方々の仕事がほぼ終了した現在、残りの作業は僕のところでやることになります。具体的には、まず、すでに入力が終わっている論文一覧を検索できる形に変換する作業。こちらは Excel や Access を使ってキーワード検索等ができるよう、学生アルバイトを使って作業をする予定です。もう一つが論文をスキャンした PDF ファイルと上述の検索データとの結びつけ作業。こちらも学生アルバイトを中心にやりますが、単純作業で時間がかかります。あとはその他の原稿等も含めて全てのデータを閲覧できるようなインターフェース(といってもHTMLを使った簡単なもの)でまとめる作業があります。

2. 学会の大会実行委員長(来年6月の大会実施で終了予定)

日本第二言語習得学会(J-SLA)の来年度の年次大会の実行委員長を拝命しました(大会自体は埼玉の文教大学で開催されます)。こういう大きな仕事はやったことがないのでさぁ大変。基本的には他の実行委員の皆さまに仕事を割り振るわけですが、一番若造の僕が委員長なわけで、今週から本格的に動き出したのですがすでにドキドキしております。

3. ジャーナルの編集業務(任期が決まってないのでいつまで続くかわかりません T_T)

8年ぐらい査読をやってきた JALT Journal の日本語編集者(Japanese Language Editor)の仕事を、この秋に前任の先生より引き継ぐことになりました。英語の編集者の方が実質的な編集長なわけですが、日本語論文については、投稿受け付けやら査読依頼やらあれやこれやの業務を全てやることになりそうです。できれば任期を決めた形で引き受けたいと言ったのですが、そんな話のないまま決まってしまいました。この仕事については実際どのぐらい忙しくなるのか予想がつかないのですが、投稿論文1本あたりの工程表(To Do リスト)を見ただけでめまいがしたので、前途多難です。自分が査読者になれないということもありますが、今後知り合いの皆さんには僕から査読の依頼が届く可能性があります。ぜひ断らずにご協力ください。よろしくお願いします。

こんな感じでしばらく忙しくなりそうです。大変ですががんばります。

両立は大変

僕は普段、平日は仕事に集中し、週末はどちらか1日(場合によっては2日)子どもと遊んだり料理をしたりに時間をかけていますが、この1週間はそのバランスがちょっと崩れたせいで微妙に身体がだるいです。

先週は月曜と木曜が祝日でしたが、僕にとっては2日とももともと授業の入っていない日。というわけで普段どおりに6コマの授業を担当したわけです。その一方で、普段は授業の準備やその他もろもろの仕事に使っている月・木を、余市に果物狩りに行ったり、子どもの散髪に付き合ったりと、家族サービスに充てました。さらに昨日(土曜)は円山動物園(の遊園地)ですっかり楽しんでしまったので、仕事がちょっとたまり気味です。

そんなわけで今日は仕事日。授業に使っている WordPress MU のアップグレードがうまくいかなかったので、最新バージョン(MU は通常版と統合されたので MU の名前が取れて WordPress 3.0.1)をクリーン・インストールしました。インストール自体はスムーズに進みましたが、5つ動かしているブログの復旧に結構時間がかかりました。投稿自体の復旧は、XML 形式でエクスポートしておいたものを一気にインポートするだけなので簡単ですが、サイドメニューに表示させているリンクの再設定がなかなか面倒です。OPML 形式に変換することでリンクのインポートができるんですが、カテゴリー分けなどは個々のリンクに手作業で情報を追加しなければなりません。これを簡単にできる方法があればぜひ知りたいところです。

夜は料理当番。あまり時間が取れなかったので、前菜に夕張産のトマトを添えたオヒョウのカルパッチョ、メインは豚バラ肉とヒヨコ豆のトマト煮込みの2皿。ブルゴーニュの白と赤を少しずついただきました。

明日は子どもが幼稚園バスに乗るのを見送った後、街に出て移動研究室。珈琲店で宿題のチェックや授業の準備をする予定です。夕方には教科書出版会社の担当者の来訪があるので研究室に戻ります。

いやぁ、また1週間が始まってしまいます。

新学期が始まりました。

祝日の月曜日があっという間に過ぎ、うちの大学では今日から後期が始まりました。初日からなんやかんやで大学に12時間いてしまって、先が思いやられますです、ハイ。

8時半前に出勤して、新しい非常勤の先生のサポート。2、3講目は自分の授業。その後は明日の授業の準備やら出張関係の書類作成。暗くなってからは海外インターン候補者の面接。荷物を片づけて研究室を出たのは8時過ぎ。家に帰って、遅い夕食をとりながらビールと昨日の残りのスパークリング・ワインで晩酌。

この時期は来年度の予算関係の手続きがいろいろあって、一つ一つの作業はそれほど大変ではないんですが、複数の作業が重なるとそれはそれでめんどくさいですね。そうはいっても申請によって10万円とか100万円とかのまとまった額が動くわけですから、おろそかにはできません。これもすべて教育の質の維持(と可能な部分での向上)のためです。

明日の朝も今日と同じぐらいかな。帰宅は少し早くできそうです。明後日は祝日。金曜の授業・会議の準備もありますが、子分(上の娘)の美容室の予約が入っているようなので、妹分(下の娘)とデートかな。1歳児とウロウロするのをデートとは言わんか。

札幌は急に寒くなりました。明日は12−18度だそうです。ふと思い立って寝室の窓を開けてみましたが、部屋に入る冷気は冷房というより冷蔵庫の感覚です。

Kindle 3 用に文庫本をスキャンしました

(2011年1月18日に、PDF の余白をカットする方法など追記しました。)

基本的には英語の書籍や PDF の論文を読むために購入した Kindle 3 ですが、せっかくこういう「おもちゃ」を買ったんだからイロイロ試してみたいということで、夏休み中に読もうと思って買った文庫本を1冊解体&スキャンしてみました。

目標はあくまで作業の簡潔化。質にこだわればできることはたくさんあると思いますが、もともと安価で印刷の質のそれほど高くない文庫本を手軽に Kindle で持ち出すことを念頭に置いているため、とりあえずストレスを感じない程度に読めればよしとします。というわけで以下行った作業手順(備忘録)。

  1. 本の裁断。文庫本なので普通のカッターナイフで切っちゃいました。下にゴムの台を敷いて、プラスチックの定規を当てて端から3ミリ程度のところをカッターでギシギシと切っていきます。切り進めるにつれて微妙に(1ミリぐらい?)サイズがずれてきますが気にしない。
  2. スキャン。何年か前に購入して仕事で重宝している ScanSnap S510 に放り込みました。設定は「スーパーファイン、白黒」、サイズはカスタムでほぼ実寸(A6サイズの文庫本の横が少し短くなっているので、102mm×自動にしました)に設定。あとは50枚ぐらいずつフィーダーに乗せて、継続スキャンで1冊分を読み込みます。
  3. スキャンした文書はOCRをせずにそのままPDF形式で保存(ScanSnapのソフトが自動でやってくれます)。OCRはしませんが、微妙に斜めだといやなのでそこだけはスキャンの段階で自動的に調整。

作業はこれだけ。できあがったPDF(ファイル名は日本語でOK)をUSB経由で Kindle 3 の documents フォルダに放り込めばもう読めます。実際に読み始めましたが、文庫本サイズだとPDF化したら6インチ画面にはピッタリです。時々ちょっと縮小された感じのページ(余白の調整がうまくいっていないのかな)が紛れ込んでいるのがちょっと気に入りませんが、読書の妨げにはならない程度。

(2011年1月18日追記)上記の現象を回避するには、スキャンしたPDFの余白をギリギリまでカットしてしまうのが良いようです。Adobe Acrobat (注:Adobe “Reader” ではない)には「トリミング」という機能があり、上下左右の余白についてそれぞれ「何ミリ」といった形で設定することで一気に余白を切り取ってくれます。また、PDF Scissors という無料のソフトを使うと、実際にPDFファイルを見ながら四隅をマウスで調整する形でより直感的にトリミングを行うことが可能です。PDF Scissors は JAVA で動くプログラムです。JAVA Runtime Environment がインストールされていれば Windows でも Mac でも問題なく動作します。

電子インクの技術はたいしたもので、読んでいるうちに「これは紙の本ではない」という事実が意識から消えてなくなります。

(2011年1月18日追記)もし文字が薄いと感じるようなら、Kindle の “AA” キーを押して “Contrast” の設定を default から darker にすると見やすくなります。

ハードカバーの本だと価格的にも厚さ的にもこの方法で電子化するのは躊躇しますが、文庫本ならちょくちょくスキャンして Kindle で読むというのも悪くないですね。

もっとも、この Kindle は研究のために論文や本を読むことを念頭に買ったので、息抜きの読書があまり気軽にできてしまうのは考えものですが。

綱渡り

ここ2日ほど、仕事上でちょっとした(いや、かなり本格的な)緊急事態が生じて、普段は滅多に使わない携帯の電話機能(ほとんど電話として使ってないんです)を多用したり、予定外のミーティングが続いたり、メールを読んだり書いたりと、なかなかドラマチックな時間を過ごしました。一時は渡っている綱が切れてしまうかと心配もしましたが、何とか対岸まで渡り切ることができそうです(まだゴールにはたどり着いていませんが)。

今日は朝のうち自宅で仕事をし、学内の某業務に一区切りをつけました。その後街に出て、スターバッ◯スで学内紀要に投稿する論文の最終チェック。昼食後大学に向かい、論文の提出や上述の綱渡り絡みの仕事をあれこれこなし、4時前に研究室を出て再び街に舞い戻り、いつもの珈琲店で仕事のメールを書いたりしているうちにこの時間になりました。

今日もよく働いたので、これで業務は終了。文具店で万年筆のインクを買ってから自転車で帰宅します。札幌は今日も30度を超えたようです。明日は雨の予報なので、少しは涼しいといいな。