Zoom用マイクの音比較

オンライン授業や会議に明け暮れた2020年度ですが、来年度もZoomの出番は多そうです。ここから先オンライン講演の依頼なども入っているので、このタイミングで手もとにあるマイクの比較をしてみようと思います。

今回比較するのはこちらの5つです。簡単な紹介のほか、比較のために録音したサンプルも載せておきます。

  1. Logicool StreamCam
  2. Zoom H1n
  3. Blue Yeti nano
  4. RØDE Lavalier GO (w/ Wireless GO)
  5. RØDE Wireless GO

1. Logicool StreamCam

普段使っているウェブカメラです(この他に同じロジクールのC922nも併用しています)が、最近はずっとこちらに内蔵されたマイクを使っていました。最初のころは別途マイクを使っていましたが、カメラとマイクがセットになっているとケーブルがスッキリするし、音質もそこそこよいという理由です。

Zoomで使っている分には十分な音質だと思いますが、マイクとが距離もあるため周囲の環境音を広いがちかもしれません。

https://www.logicool.co.jp/ja-jp/product/streamcam

 

 

2. Zoom H1n

マイクというよりハンディ・レコーダーですね。写真のように立派なステレオマイクがついたポータブル録音機なのですが、USBケーブルを接続することでバスパワーの外部マイクとしても利用可能です。

ウェブカメラ内蔵のマイクと比べればかなりクリアな音質だと思います。最初に試したときは他のマイクより音量が小さかったので、以下のサンプルでは手動のダイヤルを最大値(10)にして収録しました。

https://zoomcorp.com/ja/jp/handheld-recorders/handheld-recorders/h1n-handy-recorder/

 

3. Blue Yeti nano

数年前に Blue Yeti を購入して以来愛用してきました。今年度も教室でハイブリッド(ハイフレックス)授業を行うときにはこのマイクを持ち込んでいましたが、かなり重くてかさばるのでコンパクトな nano を最近入手しました。

初代 Yeti よりはかなりコンパクトですが、ずっしりして安定感があります。音質もクリアで満足です。

https://www.bluemic.com/ja-jp/products/yeti-nano/

 

4. RØDE Lavalier GO (w/ Wireless GO)

こちらはいわゆるピンマイクで、襟元に取り付けます。3.5mmジャックがついているので直接接続することもできますが、PCにつなぐ場合にはTRS-TRRS変換アダプター(純正品だとSC4)が必要なので要注意です。

次に紹介する Wireless GO の子機に挿して使うことで、ワイヤレスで音声を収録できます。

マイクそのもののの質も高いようですが、何より口から近い位置に設置できるので環境音を拾わないのがよいです。顔や体を動かしてもマイクとの距離が一定なのも安定した音に貢献しているかもしれません。

https://ja.rode.com/microphones/lavaliergo

 

5. RØDE Wireless GO

Wireless GO には親機(写真右)と子機(左)があって、親機を3.5mm音声ケーブルでPCに接続し、子機を襟元等に付けて使います。子機には無指向性マイクが付いているため、これを襟元にクリップするだけでワイヤレスマイクとして使えます。音質もよいですし、コードレスなので取り回しが便利ですが、いくら軽いといってもそのまま取り付けるとちょっと気になります。上の Lavalier GO とセットで使うのがよさそうです。

http://ja.rode.com/wireless/wirelessgo

 

このように聴き比べると、やはりカメラ内臓のマイクは少し音質が劣るかなという印象です(それでもPC内蔵のマイクよりは断然よいですが)。手軽さと音質のトレードオフなので、インターネット環境で音質が変化するZoom等を利用したオンライン会議では手軽さを優先して内蔵マイクを使い、YouTubeに上げるような動画や音声収録では少しでも高音質を求めてUSBマイクやピンマイクを使うという感じになるでしょうか。個人的には Blue のマイクが気に入ってるので、椅子に座って使う場合にはこれの出番が多いかもしれません。Wireless GO/Lavalier GO は動きがあるときによいので、黒板の前で講義をするような場合によさそうです。ただ、僕は講義を担当していないのでそれほど出番はないかもしれません。

大学での授業の話をすると、僕は少人数の英語科目を中心に担当していて、グループワークのような活動が多いです。ハイブリッド(ハイフレックス)授業では、教室にいる学生と、Zoomで参加する学生をつなぐ必要があるので、教室の中央近くに無指向性のマイクを置くような使い方が多くなります。これまでは Blue Yeti を持ち込んで、3mのUSBケーブルでPCに接続してきましたが、来年度はひと回り小さな Yeti nano を使おうと思っています(Yeti nano も指向性を切り替えることができるのです)。自分には Lavalier GO を付けておいて、2つのマイクを併用するといったことも考えてみます。

最後に、ここで紹介した録音サンプルはZoomで収録しました。同条件にするために一度に収録し、ローカルに保存したm4a形式の音声ファイルをAudacityで切り出してmp3形式で保存したものです。音量等の調整は行っていません。