これまでの記事:
第2回の投稿では、前期15週のオンライン授業で使った各種サービスを紹介します。細かい使い方は別の記事でお伝えすることにして、ここでは概要をお見せしようと思います。
すべての授業で共通して使ったもの
LINEオープンチャット
学生との連絡用に5年ほど前からLINEを利用しています。それ以前はメールが主なコミュニケーション手段でしたが、LINEの方が圧倒的に反応が早いのですよね。学生が日常的に使っているからこそですが、そこにただ乗りさせてもらっている感じです。今年度は念のため事前にLINEの利用状況を調査しましたが、利用率100%だったので安心して委ねられました。
昨年度までは授業ごとにLINEグループを作成して使っていましたが、今年度はLINEオープンチャット(OC)を使っています。OCの利点は2つ。LINEグループの場合にはこちらで個別に学生を招待する必要がありましたが、OCではともだちになるというステップを省略して、招待用リンクやQRコードを使って学生が直接参加できます。同じ時期にのべ70-80人の学生を招待するので、OCの方がかなり便利でした。
もうひとつの利点は、OCに投稿されたものを後から参加した人も遡って閲覧できる点です。LINEグループの場合、全員向けの連絡は全員が参加してから行うか、新しい参加者が入るたびに同じ内容を投稿する必要がありますが、OCでは「はじめに」的な投稿を一度するだけで済みました。
授業時間内外合わせて、OCは学生とのコミュニケーションの主要チャンネルとして使ってきました。具体的な使い方は後日あらためて紹介します。
Zoom
Zoomはすべての授業でオンライン上の「教室」の役割を果たしました。Recurring meetingsを使い、授業ごとにユニークなmeeting IDを用意しました。こうすることで、学生たちには授業用URLを一度知らせるだけで毎回同じ部屋を利用できます。また、waiting roomも使わずに学生が僕より先にログインできるようにもしたので、本物の教室と同じように学生が好きな時間に入ってきて、授業開始を待つことができました。2年生のライティングのクラスでは、僕が入る前に雑談で盛り上がることが多かったようです。ただし、こういった運用が可能なのは履修者が少ない(今年度前期は最大で17名でした)からこそかもしれません。
すべての授業(ミーティング)は自動的にサーバーに保存される設定にして、さらにDropboxと連携することで自動的にローカル環境にも保存されるようにしました。録画したデータは基本的には公開しませんが、欠席した学生が僕の話を聞きたいという場合にその都度共有しました。
その他のサービス
Google系
僕の勤務先では、独自のLMSの他に数年前からGoogle Classroomが利用可能で、僕はライティングの課題提出などに使っていました。教職員や学生の使うメールもGoogle(Gmail)なので、シングルサインオンで各種サービスが利用できるのが魅力です。
Google Classroom (https://classroom.google.com) は、教材の提示と課題の提出、それにフィードバックも含めた成績評価の提示と保存のために利用しました。細かい使い方は授業ごとに異なりますが、毎回の授業を日付でラベル付けして、その日の教材や課題をまとめて時系列順に並べる使い方がシンプルでよかったと思います。
Gmail (https://gmail.com) は3年生のビジネス・ライティングの授業で使いました。ビジネスメールを書くことがテーマのこの授業で15年ほどずっと使ってきたので、そういう意味では新しさはありません。ビジネス・ライティングの実践例については、松村(2017)の第8章で少し紹介しているので、もしよろしければご覧ください。
https://www.taishukan.co.jp/book/b298105.html
Google Classroomと連動させて多用したのが Google Docs (https://docs.google.com) でした。Microsoft WordのGoogle版的位置づけですが、ブラウザで利用できること、自動保存されること、テンプレートの配布が簡単なこと、複数人で同時編集ができること、その様子を教員である僕も随時モニターできることなど、特にライティング授業で使うにはいいことづくめです。オンライン授業だけで使うのはもったいないですね。Google Docsを使った実践例も後日詳しく紹介します。
Google 系でもうひとつ利用したのがJamboard (https://jamboard.google.com) 。こちらは他のサービスほどは知られていませんが、ホワイトボードを共有するウェブサービスです。マーカーでの書き込みと付箋を使える程度のシンプルなものですが、グループワークではZoomに付いているホワイトボードの代わりにこちらを使いました。Googleの他のサービス同様ファイルが自動保存されること、複数人での同時編集がスムーズなこと、教員である僕も随時複数のボードをモニターできることなどが便利です。
Google以外のサービス
基本的にはこれまでに紹介したサービスが中心でしたが、授業によっては他のサービスを援用しました。
Flipgrid
学生のプレゼンテーションの提出場所として利用しました。スマートフォンの前で話すだけで完了するので手軽です。詳しい使い方はご要望があれば後日。
Canva
ウェブベースのポスター作成アプリで、ポスター発表用のポスターを作成するために使いました。同じ用途でGoogle Slidesも用意しましたが、Canvaの方が洗練されたポスターが作れます。複数人で同時編集が可能です。
Slack
2年生のライティングの授業で、教室外ライティング活動用に使っています。オンライン授業になる前から使ってきたので、今回特に新しくしたことはありません。Slackの利用方法についてはこちらの口頭発表資料の中で少しだけ紹介されています:
https://www.urano-ken.com/research/jasele2017/
以上です。次回は各授業の導入に焦点を当てて、主に第1回目の授業の進め方と、授業全体の流れについて紹介する予定です。
One thought on “オンライン授業事例報告 (2)”
Comments are closed.