Kindle Voyage で(英語の)音声読み上げ機能を使う

米アマゾンが音声アダプター付きの Kindle Paperwhite を発表し、僕の持っている Kindle Voyage も今後読み上げ機能に対応するというアナウンスを見たばかりですが、今朝になって Twitter 経由でこんな記事を読みました。

How to Make Your Own Kindle Audio Adapter for Under $2

要は micro USB から普通の USB(メス)に変換するアダプターと、USB のオーディオカード(っていうのかな?いわゆる USB DAC)があればすぐにも読み上げ機能が使えますよっていうことです。ひととおりの材料はそろっていそうだということで早速試した次第。

ハイレゾ音源再生用の DAC もありましたが、そもそも普段使っている USB スピーカーと USB 変換アダプターがあればそれだけで十分でした。まずは Kindle Voyage にアダプター経由でスピーカーを接続すると、「音声ファイルが見つまりません」という警告とともにでヘルプページを参照するようにとの指示が出ます(下の写真はハイレゾ用の DAC をかました状態)。

Use a Kindle Audio Adapter with Kindle Paperwhite (7th Generation)

ページタイトルにあるように本来は第7世代 Kindle Paperwhite 用の説明ですが、Voyage でも問題ありませんでした。パソコンのブラウザでこのページに行って、Audio file for Kindle Paperwhite (7th Generation) というファイルをダウンロードし、USBケーブル経由で Voyage に転送します。その後 Voyage の電源ボタンを20秒程度長押しして再起動をかけます。転送した音声ファイルは再起動とともに自動的にインストールされます。

再起動後、今度は言語設定をUSかUKに変更するよう指示されるので、「設定」>>「端末オブション」と進んで言語をUS(もしくはUK)に変更します。ここで再び再起動。

作業はこれでおしまいです。視覚障害者向けの機能なので、本文だけでなくメニュー等もすべて読み上げられ、操作をするには一度当該箇所をタップしたあと、音声の指示にしたがってダブルタップで確定する必要があります。

英語書籍で読みたいページを開いたら、2本指でスワイプすると自動読み上げが始まります。ページ送りも自動です。動作の様子はこんな感じ。

まだしっかりとは使っていませんが、取り急ぎ動作するまでの手順をまとめました。

Kindle 3 でワード文書を無料で変換&転送

Kindle には、ワードなどの文書を所定のアドレスへのメールに添付するだけで自動的に Kindle 形式(.azw)に変換してくれるサービスがあります。この利用するには、amazon.com の Your Account > Manage Your Kindle にて自分専用のメールアドレス(XXXXX@kindle.com)を確認し、そちらに添付ファイルを送るだけです(XXXXX には Amazon.com が割り振った自分のアカウントが入ります)。

気をつけなければならないのは、XXXXX@kindle.com に送ったファイルの変換には、ファイルサイズあたりの従量制料金(1MB あたり $0.99)がかかることです。お金をかけずに変換したい場合には、アマゾンが用意している無料変換サービスを使うことが可能で、その場合には XXXXX@free.kindle.com と”free” を追加したアドレスを使います。

Kindle 2 までは、free のアカウントに送ったファイルについては、PC を利用して変換されたファイルをダウンロードして、それを USB 経由で Kindle に転送するという作業が必要だったそうですが(有料サービスとの差別化ですから仕方ないですね)、Kindle 3 になって、3G 回線ではなく無線LAN(WiFi)を使うことで、転送まで含めて自動で行うことが可能になりました。

Kindle 3 WiFi では、こちらのブログで紹介されているように、”free” の付かないアカウントに送っても、無線LANを通して自動的に Kindle 本体に変換されたファイルがダウンロードされるようです。僕が使っている 3G 版の Kindle 3 については、以下の方法で無料での自動転送が可能です。Kindle 3 WiFi でも同じはずですが、僕は持ってないので確認できていません。

手順は至って簡単です。Kindle に転送したいファイルを XXXXX@free.kindle.com (”free” を付けることに注意)に添付ファイルで送ります。ちょっとすると Amazon より “Your Amazon Kindle documents are here” という件名のメールが届きます(ここまではこれまで通りで、変換されたファイルをPCでダウンロードすることも可能です)。

次に、Kindle 3G を無線LANのアクセスポイントに接続します(別に繋ぎっぱなしでも問題ありません)。僕は自宅で繋いでいますが、普通の電子機器同様、一度設定したアクセスポイントは覚えておいてくれます。アクセスポイントが見つからないときは 3G 接続で、アクセスポイントを発見次第自動的に WiFi に切り替えてくれます(ちなみに本体の “Turn Wireless Off” をすると、無線と 3G の両方から完全に切断されます)。

XXXXX@free.kindle.com に送ったファイルは、無線LANに接続された状態の Kindle 3 が自動的にダウンロードしてくれます。というわけで Kindle 2 までは USB 経由での転送に使われていた free のアカウントが、WiFi 経由で自動転送をするために使えるわけです。

Amazon 的には、ファイルの変換サービス自体は無料で、ファイル転送に 3G 回線を使うときだけ回線使用料として料金を徴収するということですね。

以下、Amazon.com のヘルプより該当部分の抜粋です。元のページは http://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html/ref=hp_k2land_trans?nodeId=200505520 です。

Sending Personal Documents to Kindle

Kindle makes it easy to take your personal documents with you. Each Kindle has a unique and customizable e-mail address you can set on your Manage Your Kindle page. You can send unprotected Microsoft Word, PDF, HTML, TXT, RTF, JPEG, GIF, PNG, BMP, PRC and MOBI files to your Kindle e-mail address.

To access your personal documents on your Kindle, send attachments to your Kindle’s e-mail address (“name”@free.kindle.com). The files will be sent to your Kindle via the Wi-Fi connection and also to the e-mail address associated with your Amazon.com account at no charge.

To have your PDF documents converted to Kindle format so you can take advantage of functionality such as variable font size, annotation, Text-to-Speech, etc., type “Convert” in the subject of the e-mail when you submit your personal document to “name”@free.kindle.com. Image-heavy PDF files are presented in landscape orientation and don’t work with devices that have auto-rotation, so those will be delivered in the Kindle format.

You can also transfer personal documents to your Kindle at no charge using your USB connection.

Kindle 3 用に文庫本をスキャンしました

(2011年1月18日に、PDF の余白をカットする方法など追記しました。)

基本的には英語の書籍や PDF の論文を読むために購入した Kindle 3 ですが、せっかくこういう「おもちゃ」を買ったんだからイロイロ試してみたいということで、夏休み中に読もうと思って買った文庫本を1冊解体&スキャンしてみました。

目標はあくまで作業の簡潔化。質にこだわればできることはたくさんあると思いますが、もともと安価で印刷の質のそれほど高くない文庫本を手軽に Kindle で持ち出すことを念頭に置いているため、とりあえずストレスを感じない程度に読めればよしとします。というわけで以下行った作業手順(備忘録)。

  1. 本の裁断。文庫本なので普通のカッターナイフで切っちゃいました。下にゴムの台を敷いて、プラスチックの定規を当てて端から3ミリ程度のところをカッターでギシギシと切っていきます。切り進めるにつれて微妙に(1ミリぐらい?)サイズがずれてきますが気にしない。
  2. スキャン。何年か前に購入して仕事で重宝している ScanSnap S510 に放り込みました。設定は「スーパーファイン、白黒」、サイズはカスタムでほぼ実寸(A6サイズの文庫本の横が少し短くなっているので、102mm×自動にしました)に設定。あとは50枚ぐらいずつフィーダーに乗せて、継続スキャンで1冊分を読み込みます。
  3. スキャンした文書はOCRをせずにそのままPDF形式で保存(ScanSnapのソフトが自動でやってくれます)。OCRはしませんが、微妙に斜めだといやなのでそこだけはスキャンの段階で自動的に調整。

作業はこれだけ。できあがったPDF(ファイル名は日本語でOK)をUSB経由で Kindle 3 の documents フォルダに放り込めばもう読めます。実際に読み始めましたが、文庫本サイズだとPDF化したら6インチ画面にはピッタリです。時々ちょっと縮小された感じのページ(余白の調整がうまくいっていないのかな)が紛れ込んでいるのがちょっと気に入りませんが、読書の妨げにはならない程度。

(2011年1月18日追記)上記の現象を回避するには、スキャンしたPDFの余白をギリギリまでカットしてしまうのが良いようです。Adobe Acrobat (注:Adobe “Reader” ではない)には「トリミング」という機能があり、上下左右の余白についてそれぞれ「何ミリ」といった形で設定することで一気に余白を切り取ってくれます。また、PDF Scissors という無料のソフトを使うと、実際にPDFファイルを見ながら四隅をマウスで調整する形でより直感的にトリミングを行うことが可能です。PDF Scissors は JAVA で動くプログラムです。JAVA Runtime Environment がインストールされていれば Windows でも Mac でも問題なく動作します。

電子インクの技術はたいしたもので、読んでいるうちに「これは紙の本ではない」という事実が意識から消えてなくなります。

(2011年1月18日追記)もし文字が薄いと感じるようなら、Kindle の “AA” キーを押して “Contrast” の設定を default から darker にすると見やすくなります。

ハードカバーの本だと価格的にも厚さ的にもこの方法で電子化するのは躊躇しますが、文庫本ならちょくちょくスキャンして Kindle で読むというのも悪くないですね。

もっとも、この Kindle は研究のために論文や本を読むことを念頭に買ったので、息抜きの読書があまり気軽にできてしまうのは考えものですが。