大阪大学CMEセミナー

このページは、大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座英語教育オンラインセミナー「タスク・ベースの英語授業:基本的な考え方とデザイン方法」(2021/08/23)に関する資料の保管・公開場所です。3月に広島修道大学で行ったワークショップとほぼ同内容です。

配布資料

投影資料

引用文献

  • Anderson, N., & McCutcheon, N. (2019). Activities for task-based learning: Integrating a fluency first approach into the ELT classroom. Stuttgart, Germany: DELTA Publishing.
  • Bartlett, N. J. D. (2005). A double shot 2% mocha latte, please, with whip: Service encounters in two coffee shops and at a coffee cart. In M. H. Long (Ed.), Second language needs analysis (pp. 305–343). Cambridge University Press.
  • Dudley-Evans, T., & St John, M. J. (1998). Developments in English for specific purposes: A multi-disciplinary approach. Cambridge University Press.
  • Ellis, R. (2003). Task-based language learning and teaching. Oxford University Press.
  • Ellis, R. (2012). Language teaching research and language pedagogy. Chichester, UK: Wiley-Blackwell.
  • Fukuta, J. (2016). Effects of task repetition on learners’ attention orientation in L2 oral production. Language Teaching Research, 20, 321–340. http://dx.doi.org/10.1177/1362168815570142
  • Heaton, J. (1997). Beginning composition through pictures. Harlow, UK: Longman.
  • 加藤由崇・松村昌紀・Paul Wicking. (). (2020).『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル: 教室と世界をつなぐ英語授業のために』東京: 三修社.
  • Long, M. H. (1985). A role for instruction in second language acquisition: Task-based language teaching. In K. Hyltenstam & M. Pienemann (Eds.), Modeling and assessing second language development (pp. 77–99). Clevedon, Avon: Multilingual Matters.
  • Long, M. H. (2005). Methodological issues in learner needs analysis. In M. H. Long (ed.), Second language needs analysis (pp. 19–76). Cambridge University Press.
  • Long, M. (2015).  Second language acquisition and task-based language teaching. Chichester, UK: Wiley-Blackwell.
  • 松村昌紀. (2012). 『タスクを活用した英語授業のデザイン』東京: 大修館.
  • 松村昌紀. (). (2017).『タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理解と実践』東京: 大修館.
  • 松村昌紀. (2020). タスクの基礎知識. 加藤由崇・松村昌紀・Paul Wicking. (). 『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル: 教室と世界をつなぐ英語授業のために』東京: 三修社.
  • 縄田義直. (2012). ESP の観点からの航空英語教育 (1): カリキュラム・教材作成にあたって. 『航空大学校研究報告』第65, 24–42. Retrieved from: http://www.kouku-dai.ac.jp/kenkyu/R65_03.pdf
  • Robinson, P. (2001). Task complexity, task difficulty, and task production: Exploring interactions in a componential framework. Applied Linguistics, 22, 27–57. https://doi.org/10.1093/applin/22.1.27
  • 塩川春彦. (2012). ビジネス英文メール入門: 解説と演習. [Kindle] Retrieved from: https://www.amazon.co.jp/dp/B0155VGNKO/
  • 浦野研. (2017). 大学での英語指導の考え方と工夫. 松村昌紀. (). 『タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理解と実践』東京: 大修館.
  • West, R. (1994). Needs analysis in language teaching. Language Teaching, 27, 1–19. https://doi.org/10.1017/S0261444800007527

ハイブリッド授業事例報告 (1)

注:商品画像を借りるためにアマゾンのリンクを張りましたが、なぜかKindleへのリンクを張ったような挙動になってしまいリンクが使えません。お手数ですが各自おググりください。

2021年度の授業が間もなく始まります。僕の勤務先では教室定員の1/3以内に収まる授業については対面で、そうでない場合には非対面で実施することになっているので、最大でもひとクラス20名の僕はすべて対面で実施することになります。

昨年度第2学期(後期)も同じ方針だったため、僕はひと足早く対面に戻っていましたが、健康に不安を抱える学生や感染者の濃厚接触者として自宅待機を求められた学生などのために一部の授業をハイブリッド(ハイフレックス)形式で教えました。今学期も同じようなことが起こる可能性も十分あるので、ここで一度自分のやり方を整理しておきたいと思います。

教育環境

僕が担当しているのは、全学共通教育と経営学部の英語科目が中心で、その他にゼミがあります。基本的にすべて少人数の演習科目で、昨年度後期は最大で20名、最小で1名(4年生のゼミ)という感じでした。この記事で紹介するのはそのうちハイブリッド形式で行った英語の授業の様子です。

僕の授業はペアワークやグループワークが中心です。僕が前に立って話すのは活動の指示を出すときとクラス全体へのフィードバック、それとごくたまになんらかの解説をするときぐらいです(あ、他に雑談もあります)。ということで僕の行ったハイブリッド授業は講義中心の科目のそれとはだいぶ様子が異なるということをご理解ください。

僕が使った教室は、教卓にPCが1台設置され、プロジェクタおよびスクリーン、それにスピーカーが備え付けられています。教卓PCは有線で学内LANにつながっていて、その他に教員が利用できる無線LAN(Wi-Fi)があります。

昨年度は前期が丸々オンライン授業になったため、後期の始まる段階で学生たちは自宅でリアルタイムなオンライン授業を受ける環境をすでに確保できていました。具体的には、PCを利用したZoomへのアクセスと、Google ClassroomやGoogle Docs、それにGmailなどが利用できる環境です。Google ClassroomにはPCだけでなくスマートフォンからもアクセスできるようにして、教室での授業でもプリント類はスマートフォンで撮影してGoogle Classroomに提出するといったこともしていたので、同じことが自宅でもできる状態でした。

追加で持ち込んだ機材

ハイブリッド形式の授業に毎回持ち込むので、できるだけ機材は少なくコンパクトにということを心がけました。ハイブリッドのために用意したのは以下の4つです:

  1. MacBook
  2. MacBookを他の機器と接続するハブ
  3. ウェブカメラと三脚
  4. USBマイク(Blue Yeti)

1. MacBook

Zoom用です。USBハブがつながればなんでもよいのですが、メインとしては引退して出張用になっていた12インチMacBookを流用しました。軽くて薄いので教室に持っていくにはちょうどよいです。

2. USBハブ

MacBookにはUSB-C入力が1つあるだけなので、拡張する必要があります。携帯性を重視して外部電源を必要としないものを使っています。純正のものはありませんし、Appleがおすすめしているのはお高いのでSelore & S-Global社の10-in-1のものを買いました。プロジェクタに接続するためのHDMIとVGAがあって、USB3.0も3つまで挿せるので僕の用途にはちょうどよいです。複数の教室で使っていますが、HDMIの相性も問題ないです。

3. ウェブカメラと三脚

MacBookにはマイクもカメラも内蔵されていますが、後述する理由で長いケーブルを使って自由に移動させたいので外付け(USB接続)のものを使います。昨年は新型コロナ対策でリモート会議が盛んになり、ウェブカメラの入手が困難ですが、そんな中で最初に手に入れることができたのがロジクールのC922nでした。コンパクトで画質もよいですし、(授業では使いませんが)内蔵マイクの性能も悪くないので気に入ってます。

教室内でこれを自由に使うには、コンパクトな三脚が必要になります。机の上に置いて使うのでそれほど高さは必要ありませんが、ある程度の安定感と角度調整が柔軟なことが求められます。僕が使っているのはManfrottoのPIXIというミニ三脚とハクバの延長ポールHCS-2の組み合わせですが、はっきり言って最高です。

Manfrottoのミニ三脚は元々持っていたものを転用したのですが、とても良いのでもう1つ買い足しました。コンパクトなのにある程度重さがあって安定することと、雲台がとても優秀なところが気に入ってます。写真の赤いボタンを押している間雲台が自由に動くのですが、ボタンを離すとその位置でカッチリ固定されて動きません。これはたとえばC922nにおまけで付いてきた三脚とは全然違うところです。

ミニ三脚だけでは高さが足りないので延長ポールも用意しました。ハクバのものは値段も手頃で高さ調整も柔軟で気に入ってます。

以上3点を組み合わせるとこんな感じになります。ケーブルを引っ張らない限りはしっかり固定されて安定しています。

4. USBマイク

カメラと同様、マイクについても長いケーブルで移動させられるものを用意しました。僕が使ったマイクはBlueのYetiですが、これは自分の声を録音するために数年前に買ったものが手もとにあったからです。正直かなり大きくて重いので持ち運びにはおすすめできません。最近になって小型版のYeti nanoを購入したので、今学期はこちらを使うと思います。

僕の授業で使うマイクに必要な条件は、(1) ある程度きれいに声を拾ってくれることと、(2) 指向性の切り替えができることです。(1) はわかると思いますが、演習タイプのハイブリッド授業では (2) も重要になります。具体的には、単一指向(マイクの正面の音のみを拾う)と無指向(全方向の音を拾う)の切り替えができることが重要で、YetiもYeti nanoもこの条件を満たしています(そして音質もよいです)。実際の使い方は次の記事で紹介する予定です。

全部揃うと写真のようになります。ケーブルがごちゃごちゃしていますが、4点セットでA4サイズの手提げかばんに収まります。

機材紹介だけで随分長くなってしまったので今回はここまで。次回はハイブリッド授業での使い方を紹介します。

広島修道大学人文学部英語英文学科主催ワークショップ

このページは、広島修道大学人文学部英語英文学科主催ワークショップ 「英語の授業をタスクで組み立てる」(2021/03/13)に関する資料の保管・公開場所です。

配布資料

投影資料

引用文献

  • Anderson, N., & McCutcheon, N. (2019). Activities for task-based learning: Integrating a fluency first approach into the ELT classroom. Stuttgart, Germany: DELTA Publishing.
  • Bartlett, N. J. D. (2005). A double shot 2% mocha latte, please, with whip: Service encounters in two coffee shops and at a coffee cart. In M. H. Long (Ed.), Second language needs analysis (pp. 305–343). Cambridge University Press.
  • Dudley-Evans, T., & St John, M. J. (1998). Developments in English for specific purposes: A multi-disciplinary approach. Cambridge University Press.
  • Ellis, R. (2003). Task-based language learning and teaching. Oxford University Press.
  • Ellis, R. (2012). Language teaching research and language pedagogy. Chichester, UK: Wiley-Blackwell.
  • Fukuta, J. (2016). Effects of task repetition on learners’ attention orientation in L2 oral production. Language Teaching Research, 20, 321–340. http://dx.doi.org/10.1177/1362168815570142
  • Heaton, J. (1997). Beginning composition through pictures. Harlow, UK: Longman.
  • 加藤由崇・松村昌紀・Paul Wicking. (). (2020).『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル: 教室と世界をつなぐ英語授業のために』東京: 三修社. 
  • Long, M. H. (1985). A role for instruction in second language acquisition: Task-based language teaching. In K. Hyltenstam & M. Pienemann (Eds.), Modeling and assessing second language development (pp. 77–99). Clevedon, Avon: Multilingual Matters.
  • Long, M. H. (2005). Methodological issues in learner needs analysis. In M. H. Long (ed.), Second language needs analysis (pp. 19–76). Cambridge University Press.
  • Long, M. (2015).  Second language acquisition and task-based language teaching. Chichester, UK: Wiley-Blackwell. 
  • 松村昌紀. (2012). 『タスクを活用した英語授業のデザイン』東京: 大修館.
  • 松村昌紀. (). (2017).『タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理解と実践』東京: 大修館.
  • 松村昌紀. (2020). タスクの基礎知識. 加藤由崇・松村昌紀・Paul Wicking. (). 『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル: 教室と世界をつなぐ英語授業のために』東京: 三修社. 
  • 縄田義直. (2012). ESP の観点からの航空英語教育 (1): カリキュラム・教材作成にあたって. 『航空大学校研究報告』第65, 24–42. Retrieved from: http://www.kouku-dai.ac.jp/kenkyu/R65_03.pdf
  • Robinson, P. (2001). Task complexity, task difficulty, and task production: Exploring interactions in a componential framework. Applied Linguistics, 22, 27–57. https://doi.org/10.1093/applin/22.1.27
  • 塩川春彦. (2012). ビジネス英文メール入門: 解説と演習. [Kindle] Retrieved from: https://www.amazon.co.jp/dp/B0155VGNKO/
  • 浦野研. (2017). 大学での英語指導の考え方と工夫. 松村昌紀. (). 『タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理解と実践』東京: 大修館.
  • West, R. (1994). Needs analysis in language teaching. Language Teaching, 27, 1–19.

ESP Symposium at Hiroshima University

This page is for the presentation by Ken Urano at the online symposium titled English for Specific Purposes: Emerging Challenges and Possibilities in Higher Education on March 5, 2021, hosted by the Institute for Foreign Language Research and Education, Hiroshima University.

Title:

Designing task-based ESP syllabi: Two cases from an English for business purposes program

Abstract:

Even though the number of people who actually use English in their lives is rather small in Japan, there is a certain demand for training of English for Specific Purposes (ESP) in such fields as engineering, medicine, and business, where communication in English is sometimes unavoidable. An increasing number of universities are offering ESP courses to accommodate the future needs of their students. One way to design an ESP course is to adopt task-based language teaching (TBLT). TBLT is a goal-oriented approach to language teaching, and is therefore compatible with ESP, which is by definition goal-oriented.

In this talk, I will report on an ongoing attempt to design and implement task-based syllabi at my workplace, where students learn English for business purposes. I will first introduce theoretical and empirical bases for task-based syllabus design, and show the actual process of syllabus and material design for two of the business English courses I teach, one for business email writing and the other for business presentation.

Presentation Slides [PDF] (7.2MB)

References:

  • Ellis, R. (2003). Task-based language learning and teaching. Oxford University Press.
  • Ellis, R. (2012). Language teaching research and language pedagogy. Chichester, UK: Wiley-Blackwell.
  • Fukuta, J. (2016). Effects of task repetition on learners’ attention orientation in L2 oral production. Language Teaching Research, 20, 321–340. http://dx.doi.org/10.1177/1362168815570142
  • Heaton, J. (1997). Beginning composition through pictures. Harlow, UK: Longman.
  • Long, M. H. (1985). A role for instruction in second language acquisition: Task-based language teaching. In K. Hyltenstam & M. Pienemann (Eds.), Modeling and assessing second language development (pp. 77–99). Clevedon, Avon: Multilingual Matters.
  • Long, M. H. (2005). Methodological issues in learner needs analysis. In M. H. Long (ed.), Second language needs analysis (pp. 19–76). Cambridge University Press.
  • Long, M. (2015). Second language acquisition and task-based language teaching. Chichester, UK: Wiley-Blackwell. 
  • Naito, H., Yoshida, M., Iida, M., Miura, H., Sakabe, T., Shibata, A., et al. (2007). Hokkaido-no sangyokai-niokeru Eigo-no niizu. [The needs of the English language in the industries in Hokkaido.] Kitahiroshima: JACET ESP Hokkaido.
  • Robinson, P. (2001). Task complexity, task difficulty, and task production: Exploring interactions in a componential framework. Applied Linguistics, 22, 27–57. https://doi.org/10.1093/applin/22.1.27
  • Shiokawa, H. (2012). Bijinesu eibun meru nyumon: Kaisetsu toeEnshu. [Introduction to English business email: Explanation and practice. [Kindle] Retrieved from: https://www.amazon.co.jp/dp/B0155VGNKO/

タコのポテトサラダ

ものすごく久しぶりにレシピを紹介します。

飲みに出かけたとき、ポテトサラダがあるとよく注文します。店ごとに個性があるのが楽しいですよね。ということで、自分オリジナルのポテトサラダを作りたくて試行錯誤。大体形になったのでみなさんにもおすそ分け。

最初に参考にしたのがこちらのタコとジャガイモのサラダです。このままでもとてもおいしいのですが、いわゆるポテトサラダに寄せるためにアレンジを加えました。

タコとジャガイモのサラダ

作り方は大きく3つのステップに分かれます。

  1. ジャガイモを茹でる。
  2. タコのアヒージョを作る。
  3. 1と2を混ぜ合わせ、卵黄を加える。

およその分量は最後に紹介します。

1. ジャガイモを茹でる。

  • 皮をむいて乱切りにして茹でます。皮ごと茹でた方がよいらしいですが、こちらの方が手軽です。
  • 好みの柔らかさになったら水を切り、鍋に戻して粉吹きにする。

2. タコのアヒージョを作る。

  • タコを好みの大きさに切る。気持ち小さめにした方が味の馴染みと食べやすさ的に良さそうです。
  • みじん切りのニンニクをオリーブオイルで温め、香りを移す。
  • タコを入れて弱火で煮る。オイルはマヨネーズの一部分的位置づけなのでたっぷり目で。
  • タコの風味がオイルに移り、そのまま料理として食べられるようになったら最後にレモンを搾り入れる。

3. 1と2を混ぜ合わせ、卵黄を加える。

  • ジャガイモの鍋に熱々のタコのアヒージョをオイルごと投入。フォークでイモを潰しながら全体を和える。イモの食感が残っても、しっかり潰してねっとりした感じにしてもOKです。
  • 卵黄を入れてよく混ぜる。熱すぎると固まっちゃうので注意。
  • 塩胡椒で味を調整。フレッシュなハーブを入れるとおいしいです。パセリでもいいけど、個人的にはジャガイモとディルの組み合わせがおすすめ。

以上です。意識したのは鍋の中でのマヨネーズの再構築。オイル・酢(レモン果汁)・卵黄と、マヨネーズの主原料が入っています。

温かくてもおいしいですし、冷やして食べてもOKです。

材料(適当です)

  • ジャガイモ2個(北あかりが好きです)
  • タコ150g
  • ニンニク1かけ
  • オリーブオイル大さじ4
  • レモン1/2個
  • 卵黄1個
  • ディル適量
  • 塩胡椒少々

Zoom用マイクの音比較

オンライン授業や会議に明け暮れた2020年度ですが、来年度もZoomの出番は多そうです。ここから先オンライン講演の依頼なども入っているので、このタイミングで手もとにあるマイクの比較をしてみようと思います。

今回比較するのはこちらの5つです。簡単な紹介のほか、比較のために録音したサンプルも載せておきます。

  1. Logicool StreamCam
  2. Zoom H1n
  3. Blue Yeti nano
  4. RØDE Lavalier GO (w/ Wireless GO)
  5. RØDE Wireless GO

1. Logicool StreamCam

普段使っているウェブカメラです(この他に同じロジクールのC922nも併用しています)が、最近はずっとこちらに内蔵されたマイクを使っていました。最初のころは別途マイクを使っていましたが、カメラとマイクがセットになっているとケーブルがスッキリするし、音質もそこそこよいという理由です。

Zoomで使っている分には十分な音質だと思いますが、マイクとが距離もあるため周囲の環境音を広いがちかもしれません。

https://www.logicool.co.jp/ja-jp/product/streamcam

 

 

2. Zoom H1n

マイクというよりハンディ・レコーダーですね。写真のように立派なステレオマイクがついたポータブル録音機なのですが、USBケーブルを接続することでバスパワーの外部マイクとしても利用可能です。

ウェブカメラ内蔵のマイクと比べればかなりクリアな音質だと思います。最初に試したときは他のマイクより音量が小さかったので、以下のサンプルでは手動のダイヤルを最大値(10)にして収録しました。

https://zoomcorp.com/ja/jp/handheld-recorders/handheld-recorders/h1n-handy-recorder/

 

3. Blue Yeti nano

数年前に Blue Yeti を購入して以来愛用してきました。今年度も教室でハイブリッド(ハイフレックス)授業を行うときにはこのマイクを持ち込んでいましたが、かなり重くてかさばるのでコンパクトな nano を最近入手しました。

初代 Yeti よりはかなりコンパクトですが、ずっしりして安定感があります。音質もクリアで満足です。

https://www.bluemic.com/ja-jp/products/yeti-nano/

 

4. RØDE Lavalier GO (w/ Wireless GO)

こちらはいわゆるピンマイクで、襟元に取り付けます。3.5mmジャックがついているので直接接続することもできますが、PCにつなぐ場合にはTRS-TRRS変換アダプター(純正品だとSC4)が必要なので要注意です。

次に紹介する Wireless GO の子機に挿して使うことで、ワイヤレスで音声を収録できます。

マイクそのもののの質も高いようですが、何より口から近い位置に設置できるので環境音を拾わないのがよいです。顔や体を動かしてもマイクとの距離が一定なのも安定した音に貢献しているかもしれません。

https://ja.rode.com/microphones/lavaliergo

 

5. RØDE Wireless GO

Wireless GO には親機(写真右)と子機(左)があって、親機を3.5mm音声ケーブルでPCに接続し、子機を襟元等に付けて使います。子機には無指向性マイクが付いているため、これを襟元にクリップするだけでワイヤレスマイクとして使えます。音質もよいですし、コードレスなので取り回しが便利ですが、いくら軽いといってもそのまま取り付けるとちょっと気になります。上の Lavalier GO とセットで使うのがよさそうです。

http://ja.rode.com/wireless/wirelessgo

 

このように聴き比べると、やはりカメラ内臓のマイクは少し音質が劣るかなという印象です(それでもPC内蔵のマイクよりは断然よいですが)。手軽さと音質のトレードオフなので、インターネット環境で音質が変化するZoom等を利用したオンライン会議では手軽さを優先して内蔵マイクを使い、YouTubeに上げるような動画や音声収録では少しでも高音質を求めてUSBマイクやピンマイクを使うという感じになるでしょうか。個人的には Blue のマイクが気に入ってるので、椅子に座って使う場合にはこれの出番が多いかもしれません。Wireless GO/Lavalier GO は動きがあるときによいので、黒板の前で講義をするような場合によさそうです。ただ、僕は講義を担当していないのでそれほど出番はないかもしれません。

大学での授業の話をすると、僕は少人数の英語科目を中心に担当していて、グループワークのような活動が多いです。ハイブリッド(ハイフレックス)授業では、教室にいる学生と、Zoomで参加する学生をつなぐ必要があるので、教室の中央近くに無指向性のマイクを置くような使い方が多くなります。これまでは Blue Yeti を持ち込んで、3mのUSBケーブルでPCに接続してきましたが、来年度はひと回り小さな Yeti nano を使おうと思っています(Yeti nano も指向性を切り替えることができるのです)。自分には Lavalier GO を付けておいて、2つのマイクを併用するといったことも考えてみます。

最後に、ここで紹介した録音サンプルはZoomで収録しました。同条件にするために一度に収録し、ローカルに保存したm4a形式の音声ファイルをAudacityで切り出してmp3形式で保存したものです。音量等の調整は行っていません。

2020年を振り返る

この一年については、みなさんと同じく僕も普通には語ることのできない経験の連続でした。この振り返りもこれまでとは少し違ったものになると思います。

できなくなったこと

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初予定していた多くのイベントが中止になりました。

職場(北海学園大学)で中止になった主なイベント

  • ゼミ研修旅行(マレーシア、フィリピン)2月末から3月
  • ゼミ研修旅行(台湾)3月
  • 経営学部海外総合実習(カナダ)9月

2つのゼミ研修旅行、特にマレーシア研修の方は出発直前になってやむなく中止になりました。企画段階から半年近く準備してきた学生たちには本当にかわいそうなことをしました。9月のカナダ研修も今年は4年ぶりに引率する予定でしたが残念ながら中止に。僕個人としても、年始までに予定していた3つの海外出張がすべてキャンセルになるとは想像していませんでした。

研究関連で中止になった主なイベント

  • 中部地区英語教育学会(愛知)6月
  • 全国英語教育学会(長野)8月
  • 日本第二言語習得学会(静岡)8月

他にも中止になったイベントはたくさんありますが、この3つについては僕が運営委員または実行委員を務めるものだったのでとても残念でした。中止といってもすべて延期扱いなので、当初と形は変わりますが2021年に無事実現できればと思います。

研究関連のイベントは、他のものもほぼすべてが中止もしくはオンライン開催への移行となりました。いくつかのオンラインイベントに参加しましたが、僕は物理的に人が集まってワイワイガヤガヤやるのが好きなんだと再確認することとなりました。学会や研究会では、もちろん個々の発表や講演から学ぶことも多いのですが、僕が求めているのは休憩時間や懇親会などの時間・空間にざっくばらんに研究について語り合う体験だったのだと思い知らされました。来年もこのような状況はある程度続くと思いますが、できればそういった「ざっくばらん」な体験を増やす仕掛けを作っていきたいと考えています。

ではお前は何をしてきたのだ

教育関係でも研究関係でも多くのイベントが中止になり、じゃあ自分は何をしてきたのだとあらためて振り返ります。今年に関しては、職業人としてのエネルギーの大半は教育に費やしてきたというのが正直なところです。前期はすべての授業がオンラインでの実施となりましたが、8月までのほぼすべての勢力をそこに費やしたと言っても過言ではありません。オンライン授業を行うだけのスキルは持っていたと思いますが、例年以上にひとりひとりの学生へのケアやフィードバックに労力を割いたので、それ以外のことを考える余裕はありませんでした。

後期になって対面授業が再開されましたが、感染症対策への気配りに気疲れしましたし、11月以降はハイブリッド授業(教室の学生とZoomで遠隔参加する学生両方をあわせた授業)を行うのにいっぱいいっぱいでした。

A new hope…, maybe…

こうやって振り返るとただただしんどかったという感想ばかりですが、決して辛かったとか悲しかったわけではありません。教育関係では新しいやり方に自らを順応させつつ、これまでとは違ったやり方も試してきました。外国語教育で重要であるフィードバックの提供方法については、オンライン授業ならではのやり方を試しながら、対面授業にも組み込める(これまでよりも効果が高いと思えるもの)もみつけることができました。

研究関係については正直ほとんど進展がなかったと認めざるをえないのですが、それでも新しい研究のアイディアのきっかけになりそうな研究書や論文を読むことも(少しは)できたので、来年にはなにか新しいことが生まれることを期待しましょう。

2020年の学会・研究会での発表は、諸々の規制が始まる前に沖縄で行ったメソ研のものひとつだけでした(依頼された講演などはありましたが割愛します):

それでも、上記発表に基づく論文は2021年に出版される書籍に収録される予定ですし、この他に研究仲間と執筆中の研究書も出版されるはずです。

おわりに

年末の振り返り記事に載せる写真は、その年に出かけた海外出張で(愛機Fujifilm X-E2で)撮影したものにしていたのですが、2020年度は一度も海外に行く機会がなかったので2019年に出かけたベルギーで撮影したものです。海外どころか道外にも、もっといえば札幌市外にも2月以降出ていません。これだけ長い期間飛行機に乗らなかったのは1997年以来のことです。いやはやそんな一年だったと思い返しつつ、来年のどこかのタイミングでは、海外かどうかはわかりませんが飛行機に乗った出張に行けることを願っています。こんな一年を過ごしてきてあらためて実感しましたが、旅をするのが好きなのですよ、僕。

N響の第九を聴きながら書く振り返りのブログ記事もそろそろ終わりにします。来年もまだしばらくはあれこれ落ち着かないことと思いますが、少しずつであっても以前の生活が取り戻せることを願いつつ、今自分に何ができるか、何をすべきかをこれまで以上に意識しながら生きていきたいと思っています。

札響定期演奏会

 

札響第630回定期演奏会(https://www.sso.or.jp/concerts/2020/09/-630/)を聴きました。新型コロナウィルスの影響で3回続けてキャンセルになったため、定期演奏会としては半年ぶり。僕も札響は8月の演奏会を聴きましたが、キタラでの演奏を聴くのは去年の12月以来。

やっぱり直接身体に感じる音はいいですねぇ。今回はじめてステージの反対側にいますが、思っていたより音はよく響いてます。さすがにピアノはちょっと遠く感じたけど、木管、特にファゴットははっきり響きます。ファゴット好きは一度はPブロックに座るべき。

そしてなによりこちら側に座る醍醐味は、指揮者と演奏者の対話が楽しめること。指揮する背中も素敵ですが、表情もしっかり見えるのはいいものです。

今日のプログラムは、本来はブラームスのドイツレクイエムという大曲が演奏される予定でしたが、一転して演奏者の少ない曲目に変更されました。ただ、そのおかげで普段あまり聴く機会のない曲目が演奏されるとも言えます。ベートーヴェンやシューベルトといった古典の響きを楽しみつつ、間にストラヴィンスキーの管楽器のみの刺激的な小品を挟んでくるあたり、なかなかにくい構成です(選曲はバーメルトさんによるもの)。

前半を締めたのはソリストによるアンコール。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番のあとにしっとり弾かれたエリーゼのために、にしんみりしました。

後半終了後は指揮の広上さんの挨拶のあとでシューベルトの第2楽章を再演。スピーチのあとでは同じ曲も違って聴こえました。

最後に、これはいつものことだけど、オーボエの艶のある音がうつくしくて、それこそ天に昇ります。ありがとうございました。

オンライン授業事例報告 (4)

これまでの記事:

あれよあれよという間に後期が始まり、今度は感染症対策に気を配りながらの対面授業に四苦八苦しています。そちらの話は日をあらためて行うことにして、前期のオンライン授業の内容についてもう少し振り返ります。

Google ClassroomとGoogle Docsを利用した(オンライン)共同ライティング

ライティングの授業では、これまでも2名または3名が協力してひとつの文章を書き上げるという活動を取り入れてきました。複数人で書くことで、ブレインストーミングやアウトラインの質が上がること、また話し合いながら書くことで、内容面だけでなく言語面についても意識化がうながされる場面が増えることなどが、共同ライティング活動を行う主な理由です(別途個別に書く活動も採用しています)。今回は共同ライティング活動をオンライン授業で実施した手順を紹介します。

Google Classroomでの設定

共同ライティングを行うだけなら、Google Classroomは必須ではなく、Google Docsだけでも実施可能です。ただ、他の活動も含めて成績管理を一括して行うなら、やはり Classroomも併用した方が便利です。

Google Classroomの基本的な使い方は省略しますが、共同ライティング活動では「課題(assignment)」機能を使います。課題機能を使うと、学生に何かを提出させることができます。個別で行うライティングの場合には、あらかじめ作成したテンプレートファイルを一斉に配布することで、統一されたスタイルやレイアウトの作文を集めることができて便利です。ただ、共同ライティングではここで少し工夫が必要です。

テンプレートファイルを用意するところまでは個別のライティング活動と同じですが、共同ライティングでは作成したファイルをペア・グループの数だけ複製し、それぞれ別のファイル名をつけておきます。僕はZoomのブレイクアウトルームを使ってグループワークを実施したので、ファイル名の末尾に Room 1, Room 2,… と部屋番号をつけておきました。すべてのファイルを課題に添付(アップロード)して、その際には「生徒が編集できる(Students can edit file)」ように設定しておきます。準備できた課題は下のスクリーンショットのようになります。

 

実際の授業では、Zoomを利用して課題の説明を行ってから、学生をブレイクアウトルームに分けます。学生はひとりひとりが自分の部屋番号に対応したファイルをブラウザで開きますが、複数人が同時に編集できるので、メンバーの誰もが同時に文章を入力することができます。話し合い自体はZoomを使って行い、作文はGoogle Docs上で進行します。グループによってはDocs上にアウトラインを作成するところもありました。

このやり方で共同ライティングを行うよい点は、ウェブブラウザで複数の学生が同時に利用できることに加え、ファイルが随時保存されるので保存や提出といった手間が不要なところ、さらに教員である僕自身も編集中のファイルを常時モニターできるところです。Zoomのブレイクアウトルームに入ることもできますが、入退室が手間ですし、複数の部屋に同時に入ることはできません(これは複数アカウントを使うことで回避できますが、そこまではしませんでした)。一方Google Docsのファイルについては、ブラウザで複数を同時に開くことができ、作文・編集の様子をリアルタイムでモニターすることができます。さらに必要があれば教員も指示やコメントを直接書き込むことができるため、適宜フィードバックを与えることも可能です。

評価とフィードバック

学生が作文をしている間にも必要があればフィードバックを与えますが、文章の内容や構成に注目してほしいのでこの段階では文法や語彙についてはあまり触れませんでした。そこで、課題提出(実際にはブラウザを閉じるだけなので「提出」というステップはありませんが)後に全体的なフィードバックを行いました。

個別のライティング課題については、iPadのGoogle Classroomアプリを利用すれば、Apple Pencilを使ってアプリ内で個々の作文に直接手書きで添削し、それをPDF形式で返却することができます。しかし、上で説明した共同ライティングのやり方ではそれができません。そこで、提出された作文をそれぞれPDFファイルに保存して、それをiPadで開いて添削する方法を採りました。添削には以前よりPDF Expertというアプリを利用していますが、他のアプリでもかまいません。

添削したPDFファイルはすべてをまとめてひとつのファイルにしてClassroomにアップロードしました。そうすることで学生たちは自分たちの書いた作文だけでなく、他のグループが書いたものとそれに対する教員のフィードバックを見ることができます。ただし成績(グループごとにA, B,Cをつけます)については公開せず、PDFに書き込まずに個別に返しました。

以上です。ここまでの方法は、Google Classroomを使わなくてもGoogle Docsだけで実現可能です。編集可能なファイルを複数用意して、それぞれのファイルのアクセス情報(URL)を各グループに伝えればOKです。

今回の内容は、Google ClassroomやGoogle Docsを使ったことがない方にはピンとこないかもしれませんが、一度触っていただくとイメージがわくと思います。

オンライン授業について最低限共有しようと思っていたものはこれですべてです。他にも細々といろんな工夫をしてきましたが、そちらについてはうまくまとめられそうであればまた紹介します。