ピリス&メネセス デュオ・リサイタル2015に行ってきました

クラシックのコンサートに行ってきました。とてもよい時間を過ごしたので久しぶりにブログに投稿します。

ピリス&メネセス デュオ・リサイタル2015
2015年11月4日19時開演
札幌コンサートホールKitara大ホール

マリア・ジョアン・ピリス(ピレシュ)は僕の好きなピアニストのひとりで、モーツァルトのソナタ全集などを愛聴しています。昨年、一昨年と続けて来札していたそうですが、今回が僕にとってはじめて演奏を聴く機会となりました。曲目はポスターの内容から一部変更になり:

  • ベートーヴェン チェロ・ソナタ第2番
  • ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第32番
  • (休憩)
  • バッハ 無伴奏チェロ組曲第2番
  • ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番
  • (アンコール)ショパン チェロ・ソナタより第3楽章 Largo

ピレシュもメネセスも重厚な音楽を奏でるタイプではありません。コンサートホールキタラの大ホールでの演奏でしたが、上品な響きが会場を包み込みました。演奏を聴いていた僕の印象をなかなかことばに表すことができずにずっと悩んでいます。重厚ではないけど軽いわけでもなく、ねっとりとは真逆だけど枯れた味わいというわけでもなく。「もったいぶる」のちょうど反対、聴いていて「えっ、もう次に行っちゃうの?」とちょっと名残惜しさを感じるようなテンポで演奏は進んでいきました。

個人的に一番楽しみにしていたのはピアノ・ソナタ第32番。堪能しました。演奏について具体的に感想を述べるほどコンサートに出かけていないので控えますが、有名な第2楽章が、主題とその変奏なんだということを実感できたし、なにより聴いていてとても気持ちよかったです。

チェロのメネセスも、ベートーヴェンの2番やバッハではさらっとした演奏をするなぁという印象でしたが、ベートーヴェンの3番では朗々と旋律を奏でていたし、全体的にやわらかな音づくりでしたが僕の好みに合いました。

アンコールのショパンはとても久しぶりに聴きましたが、ピレシュのピアノはこういう曲にピッタリだなぁと思っているところで演奏会は終了。いい時間を過ごすことができました。

僕は1階の前から6番目の席。ピレシュの背中越しに指づかいをじっくり見ることができました。3階席とステージの反対側(オルガンのある方)は開放していなかったようですが、それ以外にも空席があったのはちょっと残念。こんな素敵な演奏を聴く機会なのにもったいない。

小柄なピレシュは1944年生まれ。僕が70歳を過ぎた時にも、ひとたび舞台に上がれば彼女のようにぴんと背筋を伸ばして歩きたいなと思いました。舞台に上がることはないだろうけど。

ピレシュのリサイタルはもうしばらく全国で続くようです。タイミングの合う方はぜひ。おすすめです。

新年のごあいさつ

上の画像は今年の年賀状(仕事用)ほぼそのままです。ネット上でお付き合いのある方の多くとは年賀状の交換をしていませんので、こちらにてごあいさつさせていただきます。ちなみに写真はハワイ島ヒロで2007年に撮影したものです。

2010年を振り返って

2009年度までは学内の委員会業務2つほどに時間的にも気分的にも振り回されていました。2010年度はその委員から外してもらえるということでほっと一息つける予定だったんですが、諸事情によりスタッフに欠員が生じ、1年間は授業以外の仕事を実質1.8人分ぐらいこなすことになってしまいました。予想外のことでしたし、正直言ってかなりしんどかったわけですが、それでも後任人事も無事に決まり、あと4月になれば少しずつ業務を引き継ぐことができるので、それまでの辛抱です。

研究活動の方は相変わらず不作で、しばらく彷徨っていた共著の論文1本と単著のもの1本が無事活字になったぐらいです。こんなことじゃいかんなぁ。

教育活動は、ここ何年かは同じ授業を担当しているので、2010年もこれまでのやり方をベースに、一部教材やアクティビティに手を加えてきました。その他には、twitter では何度かつぶやいていますが専門業者による英語コミュニケーション能力テストを色々試させていただきました。教育とは、本質的には何を教えたとかどんな活動を行ったかではなく、その結果学習者が何をできるようになったかが重要です。そこで、僕も含めて今うちの学部で行っている英語教育が、学生にどんな力をつけているのか、もしくはいないのかをきちんと測定することは、教育的にとても大切なことだと考えています。2010年には、特にスピーキングやライティングの能力を測定するテストを探すことに時間を割きました。僕の担当する授業には、たとえば半期15週かけてビジネス文書を作成する能力を身につけることを目標にするものがありますが、このような授業を受けた学生の実力をきちんと評価したいという気持ちが強いからです。

学外の活動としては、特に後期に入ってからは以前こちらで書いた学会関係の3つの仕事が本格化し、そちらにかなりの時間を割きました。お金にはなりませんし、自分の研究・教育業績に大きく貢献するものでもないと思いますが、誰かがやらなければならないことだし、誰かの役に立っているとも思いますので、今後もコツコツと励みたいと思います。

2011年に向けて

学内的には4月に新たなメンバーを仲間に迎えることになり、これをきっかけに色々新しいことに挑戦していけたらと思っています。主に教育活動になりますが、カリキュラムの再検討と、業者テストの新規採用も含めた評価体系の見直しを徐々に行っていく予定です。幸い4月に来ていただける方は English for Specific Purposes (ESP) のエキスパートなので、力を借りてがんばります。

委員会業務としては学部の某委員会の委員長を拝命する予定です。それほど忙しい仕事ではないはずですが、神経をすり減らすというか、ちょっと気を遣う仕事なので少々気が重いです。その他には大きな仕事は(今のところ)来ない予定です。

学外の活動としては、間もなく完成予定の中部地区英語教育学会40周年記念DVD-ROM制作の仕上げをまずがんばります。次に大きいのが日本第二言語習得学会(J-SLA)の年次大会の実行委員長の仕事。大会直前にどのぐらい忙しくなるのか見当もつきません。あとはすでに本格化している日本語学教育学会(JALT)の JALT Journal 日本語編集者としての仕事。これが思っていた以上に大変で、しばらくは振り回されることになりそうです。何しろ投稿されてくる論文をすべて査読するような気持ちで読む必要があるわけで、JALT Journal の一査読者だったころは年にせいぜい2, 3本の論文を見ていたのが、ここ3ヶ月でそのウン倍読みました。いやはや。

その他には、春から某全国学会の事務局長のお手伝いをさせていただくことになりそうです。こちらについてはまだ詳しいことは知らされていませんが、楽ではないですよね、きっと。

そんなこんなでどうしても後回しになりがちな研究活動ですが、やってみたい研究や分析が3つほどあります。時間をみつけてできるところから手をつけ、可能ならば結果をまとめて発表していきたいと考えています。あぁ時間が欲しい。もしくは共同研究者が欲しい。SLA で特に形態素の習得に興味のある方や、ICT 利用教育やライティング指導あたりに興味のある方で、一緒に研究してくれる方がいてくれるとほんとにありがたいんですが、そもそも近場に同業者がほとんどいないので、なかなかそれも難しい。

おかげさまで2人の娘も順調に成長し、週末や休日等はできるだけ家族サービスに時間を使いたいと考えています。ワーク・ライフ・バランスをどう取っていくか、これも2011年の課題になりそうです。

Twitter でブツブツ言うことに慣れてしまうとブログでまとまった文章を書くのがつい億劫になってしまいますし、読んでる方にとっても長文はめんどくさいかなぁとも思います。こんな僕ですが、今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いします。

仕事が重なります

ブログの投稿は夜しようと思っているのですが、だいたい酔っ払ってるか疲れ果てているか(もしくはその両方)でかないません。というわけで帰宅前に書いてみることにします。

これからしばらく、学外の仕事が今までより忙しくなります(学内の仕事はこれまでどおりに忙しい)。主に3つの業務があるんですが、近況報告を兼ねてご紹介します。以下、終了予定が早い順に:

1. DVD形式の論文集の作成(年内いっぱいか、年明け早々に終了予定)

中部地区英語教育学会では、40周年を記念して紀要全40号(含2011年春発行の最新号)を DVD-ROM に収録したデータベースを会員に配布する予定です。僕はその DVD 作成メンバーのひとりで、他の方々の仕事がほぼ終了した現在、残りの作業は僕のところでやることになります。具体的には、まず、すでに入力が終わっている論文一覧を検索できる形に変換する作業。こちらは Excel や Access を使ってキーワード検索等ができるよう、学生アルバイトを使って作業をする予定です。もう一つが論文をスキャンした PDF ファイルと上述の検索データとの結びつけ作業。こちらも学生アルバイトを中心にやりますが、単純作業で時間がかかります。あとはその他の原稿等も含めて全てのデータを閲覧できるようなインターフェース(といってもHTMLを使った簡単なもの)でまとめる作業があります。

2. 学会の大会実行委員長(来年6月の大会実施で終了予定)

日本第二言語習得学会(J-SLA)の来年度の年次大会の実行委員長を拝命しました(大会自体は埼玉の文教大学で開催されます)。こういう大きな仕事はやったことがないのでさぁ大変。基本的には他の実行委員の皆さまに仕事を割り振るわけですが、一番若造の僕が委員長なわけで、今週から本格的に動き出したのですがすでにドキドキしております。

3. ジャーナルの編集業務(任期が決まってないのでいつまで続くかわかりません T_T)

8年ぐらい査読をやってきた JALT Journal の日本語編集者(Japanese Language Editor)の仕事を、この秋に前任の先生より引き継ぐことになりました。英語の編集者の方が実質的な編集長なわけですが、日本語論文については、投稿受け付けやら査読依頼やらあれやこれやの業務を全てやることになりそうです。できれば任期を決めた形で引き受けたいと言ったのですが、そんな話のないまま決まってしまいました。この仕事については実際どのぐらい忙しくなるのか予想がつかないのですが、投稿論文1本あたりの工程表(To Do リスト)を見ただけでめまいがしたので、前途多難です。自分が査読者になれないということもありますが、今後知り合いの皆さんには僕から査読の依頼が届く可能性があります。ぜひ断らずにご協力ください。よろしくお願いします。

こんな感じでしばらく忙しくなりそうです。大変ですががんばります。

一区切り

午前中、午後と2つ続いた会議の後で、自転車に乗って整形外科に出かけて診察。月に一度、処方してもらっている薬が切れるたびに診察を受けるというパターンにもすっかり慣れました。

前回の診察で検討はついていましたが、今日はまず患部である両肩のレントゲン撮影をし、画像を見ながら先生の説明を受けました。両肩の関節に見られた白い影(石灰化)が数年来の痛みの原因でしたが、通院を始めた昨年12月の画像と比較しても縮小がはっきりとわかり、左については見えない程度になっていて、(もともと痛みのひどかった)右肩についても関節部分にぶつかって痛みを起こすことがない程度にまで小さくなっていました。痛みもないということで、8ヶ月に渡る診察&治療は今日で一旦終了ということになりました。

まる8ヶ月の間、最初のころに処方してもらった鎮痛の湿布や飲み薬を除けば、治療のメインはタガメットという胃薬を飲み続けること。関節付近に沈着して神経を刺激している石灰を消すという効果があるそうで、効かない人もいるとの説明は受けましたが約半年の間毎日飲み続けました。初診時までの数年間、程度の差はあれこの痛みに悩まされていたことと、基本的にタガメットの処方だけで痛み(とその原因である石灰化)が収まったことを考えれば、先生の目論見通りタガメットが痛みの原因を(完全ではないものの)取り除いてくれたようです。

いつかまた痛みが出るようなことがあれば再び診察してもらいますが、それまでは整形外科からは解放されることになりました。思えばこれだけ長期間に渡って通院したことや薬を飲み続けたことは初めての経験でした。何はともあれ、僕の日常生活を快適でなくしていた原因を取り除いてくれた先生に感謝です。

キャラバン

今日は補講もないので一日中学外で活動。自転車に乗って札幌市内をさまよい歩きました。

午前中は大通りのいつものコーヒー店で仕事。授業がほぼ終わったので、最後の課題の採点や成績処理の作業にエクセルの出番が多いです。昼ごろに店を出て、近くの文具店で妹分のバースデーカードを購入。土曜日が1歳の誕生日なのですが、プレゼントが決まりません。子分(♀4歳)のこれまでの誕生日に買ってきたものがなんとなくお下がりでそのまま所有権が妹分に移っていくこともあり、新たに何をあげたらいいか思いつかないんですよね。困った。

昼食は久しぶりにラーメン。札幌駅まで自転車で移動しました。その後駅の中にある◯ターバックスで仕事をしようと思っていたんですが、なんとなく映画館に入ってしまいました(多分その前にビックカメラで3Dテレビのデモを見て楽しかったから)。3Dの映画はトイ・ストーリー3が上映中でしたが、吹き替え版だったのでパス。上映開始時刻の一番近かった借りぐらしのアリエッティを観てきました。チケットを買おうと思ったら、「本日はメンズデーなので1,000円です」と言われてちょっと得した気分。

映画のあとでスタ◯バックスに寄ろうと思ったらとても混んでいたので、再び自転車に乗って大通りに戻り、いつものスターバ◯クスに。仕事のメールを何通か書いて現在に至ります。今日はこのまま大学には寄らずに家に帰る予定です。

学外の仕事依頼がひとつ。編集の仕事を引き継ぐことが決まっている某学会誌の一部業務がいよいよ僕のところにやってきます。本格的な業務の方はまだ引き継ぎの段取りが決まっていませんが、そちらもそう遠くない将来に確実にやってきます。報酬のない仕事を「仕事」と呼んでよいのかよくわかりませんが、広い意味での研究活動にあたるのでおろそかにはできません。ただこういう仕事って、日本の文脈だと履歴書には「研究業績」欄ではなく「その他社会貢献」欄に入るんですよね。それってどうよっていう話をつい先日SさんTさんとしたばかりでした。

自転車の移動は便利ですね。札幌は(僕の生活圏に関していえば)とても平坦なので、下手にバスを待つより移動時間が短いし、健康にもそこそこいいし、何よりここの夏は暑すぎないので風を切るのが爽快です。本州の皆さんは暑い日々をお過ごしのことと思いますが、こちらでは「暑いなぁ」と感じる今日でも最高気温は27、8度です。今年はいつもより暑いですが、それでもまだまだ快適ですね。

明日は研究室で仕事をすることになりそうです。

生活サイクル

疲れて夜早く寝てしまうので、その分朝早く目が覚めます。今月から子分が幼稚園に通い始めるので、早寝早起きのリズムはちょうどいいかもしれません。

子分の通うことになる幼稚園は、奇しくも僕が最初に通った幼稚園と同じ名前です。もっとも、札幌と横浜にあるこの2つの幼稚園には何の関係もないみたいですが。

いよいよ新年度が始まりました。今日からしばらくは各種ガイダンスが続きます。4年間つとめた教務委員の仕事も昨日で終わったので、教務ガイダンスを担当しなくてよい今年の4月はずっと楽なスケジュールです。

ガイダンスと並行して授業の準備をしないといけません。Moodle の方はバージョンアップが無事完了したので、あとはデータを更新するだけ。WordPress MU を使った授業ブログは昨年度のデータをバックアップした上で削除して、同じスペースをそのまま使います。

前期に担当する授業の教科書が新版になったので、教材を一部作り直す必要がありますが、それ以外はすべて昨年度のものをほぼそのまま使えそうです。

年度もかわり気分一新仕事に励みます。

涙する

2、3日前に NHK でズービン・メータが指揮するウィーン・フィルの演奏会を放送していました。メータと言えば、僕がまだ大学1年生だった時に彼が指揮するイスラエル・フィルの演奏会に行ったことを思い出します。メインはブラームスの交響曲第4番だったんですが、ねっとりするような冒頭部分が今も印象に残っています。当時は若い(幼い?)なりにいろいろ悩んでいることがあって、ひとりで出かけたあのコンサートを思い出すと今も少し胸が痛んだりもしますが、まぁそれは置いておきましょう。

僕はこれでいて結構感傷的なところがあって、音楽を聴いて心打たれるなんていうことがちょくちょくあります。宗教曲なんかもよく聴きますが、いつ聴いてもガーンとなるのがヴェルディのこの小品。CD についてきた解説によるとヴェルディはほんの頭の体操のつもりでこのアヴェ・マリアを作曲したそうですが、はじめて聴いた時にはガツンとやられました。

G・ヴェルディ:アヴェ・マリア(聖歌4篇より)

(元の音量がかなり小さいので、ボリュームを上げてお聴きください)