いわゆる PDA というものを、もう10年近く使い続けてきました。ハワイに住んでいたころは HP200LX という MS-DOS の携帯端末を父より借り受け、文章作成やモデムを利用してのメールの送受信、それにメールを介してのウェブ日記(当時はブログがなかったため掲示板を日記的に利用していました)更新などに使いました。帰国して大学で教え始めてからは、シャープのザウルスを購入し、メールの送受信(ウィルコム回線を利用)とスケジュール管理に日々活用しました。
そして2年前の夏、テレビを見ていて偶然ウィルコムの新型スマートフォン、advanced es のことを知り、すぐに購入。それから今まで仕事には欠かせない存在として日々携行していました。
advanced es を使い始めて2年ほどが経ったころには、ハードウェア的な性能(主にレスポンスの悪さ)が気になるようになり、後継機の候補を探してきました。ウィルコムの他 e-mobile にも食指が動きましたが、最終的に選んだのはソフトバンクから新しくでた東芝の X02T。オンラインで注文し、発売日の夕方には入手してしまいました。
僕が仕事で使うスマートフォンの機能は主に次のとおりです:
1.スケジュール管理。学生のアポイントでダブルブッキングを防ぐため、教室に持っていけるスケジューラが必須です。さらに Google Calendar と同期させることで、研究室と自宅のデスクトップでもスケジュールの管理ができるようにしています。
2.メールの送受信。主に出先でのメールのチェックに利用。長文を書くことはあまりありませんが、それでもキーボードの付いている advanced es ならそこそこの分量でも書くことができました。
3.文章作成。論文を書いたりするのにコーヒー店等を利用することが多いのですが、ノートPCだと大げさなのでできるだけスマートフォンで済ませたいと思っています。advanced es 内蔵のキーボードではさすがに長文をストレスを感じずに入力するのは無理ですが、bluetooth 接続の折りたたみキーボード、Reudo の RBK2100-BJT と組み合わせることで問題解決。この秋にはこれで論文を2本書きました。図表の挿入やレイアウトの調整などはPCに任せて、スマートフォンではもっぱら文章入力をしました。
4.出先(主に出張の行き帰り)でノートPCをネットに接続するためのモデムとしての利用。最近では advanced es を無線 LAN ルータにして使ってきました。
今回購入した X02T は、キーボードのないモデルです。ちょっとした入力作業のためにキーボードが内蔵されることは必須だと考えてきましたが、 iPhone の登場の影響か、最近では画面上に表示されるソフトウェア・キーボードの使い勝手もだいぶ良くなっていると知り、キーボードがないことには目をつぶりました。出先で長文入力をするときには、上記の折りたたみキーボードを使えば問題ないですし(実際この投稿も X02T & RBK-2100BJT の組み合わせで書いています)。今回 advanced es の後継機を探すにあたって、iPhone も選択肢の1つとして結構本気で検討したのですが、Apple のポリシーとして外付けキーボードは用意しない(外付けも不可)ということのようなので、購入を見合わせました。キーボード以外の面では結構魅力があったんですけど。
スケジュール管理については、X02T も Windows Mobile 機なので、 advanced es と同様 Google Calendar との同期で全く問題なく使えています。メールの送受信についても、受信は職場のメールを転送することでできますし、送信についても、Outlook Mobile を使えば職場のアドレスで発信することも可能です。
ノートPCのモデム代わりの使い方は、ソフトバンクとうことで(料金的にも)できませんが、大きな画面と処理能力の高いプロセッサを積んだ X02T でウェブブラウズについてもそれなりに使えるし、最近では出張先のホテル等でもネット接続が可能なところが多いので、当面なしでやってみようということにしました。どうしてもということになれば、e-mobile の端末を別途購入するつもりです。
ランニング・コストですが、advanced es ではだいたい月に5,000-6,000円かかっていました。ただそれに加えてソフトバンクの携帯も1台持っていて、通話や簡単なメールのやりとりに使っていたので、そちらも月に何千円か払っていました。今回はソフトバンクの方を X02T に機種変更して、パケットの定額(パケ放題フル)と基本料金その他(端末料金の月割分約1,000円も含む)を併せて最大で9,000円ぐらいの予定。ウィルコムの方を解約すれば前より安く上がる計算です。
キーボードのないモデルの使い勝手がどうかとか、スマートフォンを(これまでにはほとんど使ってこなかった)通話目的で使う場合の使用感とか、今後しばらく使ってみないと見えてこない部分はありますが、2日半ほど使ってみた感想としては、処理能力の高さ(advanced es とは比較にならないレスポンスです)とバッテリーの持ちの短さ(自宅では無線 LAN に接続することもあり、朝から晩まで何とか持つかどうかのレベル)が目立ちます。バッテリーの方は、携帯用充電池(eneloop のリチウムイオンのもので、X02T から丸々5回分フル充電できる容量)を持ち歩いているので、大きな問題にはならない予定です。
その他の使い勝手は、基本的には Windows Mobile なので advanced es と同じで、これまでに使ってきたソフトを徐々にインストールしていけば自分好みの一台になると思います。
ひとつ残念だったのが、X02T の売りだった Kinoma Play の準備が整っていなくて1月まで使えないこと。1ヶ月分の基本料金ぐらい引いてほしい気分ではあります。