メソ研補足

メソ研 in 秋田での自分たちの発表について、補足(というかまとめ)をするためにいくつかつぶやいたので、ここにまとめておきます。

メソ研 in 秋田

外国語教育メディア学会(LET)関西支部メソドロジー研究部会(通称メソ研)の2013年度第2回研究会が10月26–27日に大学コンソーシアムあきた(秋田市)で開催されます。

26日の17:00–17:55に、静岡大学の亘理陽一さんと共同で以下のタイトルで発表を行う予定です:

「英語教育研究における追試(replication)の必要性 」

発表の補足を亘理さんがブログでまとめてくれています。

教育方法学でつっぱる: [研究][SLA] ケンカの後始末,またはSpada & Tomita (2010)について。 

亘理さんによるあらたなブログ記事も関係してますね。

[研究][ノート] 補足の補足でメタ分析について覚え書き(山田・井上(編), 2012. Ch.2)

わたくし浦野も Twitter 上で少し補足をしました。

メソ研補足

発表資料

Ustream(録画)

大会プログラム

それではみなさん、秋田でお会いしましょう!

LET関西支部2013年度秋季研究大会

10月12日に関西大学で開催される外国語教育メディア学会(LET)関西支部の秋季研究大会で、以下のタイトルで実践報告を行います:

大学の英語ライティング授業における TBLT の導入

発表資料:

大学の英語ライティング授業における TBLTの導入 [PDF]

大学の英語ライティング授業における TBLTの導入 [Keynote]*

*Myriad Pro フォントを利用しているため、このフォントをインストールした Mac 以外ではレイアウトが乱れる可能性が高いです。

大学の英語ライティング授業における TBLTの導入 [mov形式動画]**

**Myriad Pro フォントのない環境でマジックムーブの様子を見たい方はこちらをどうぞ。5秒おきにスライドが自動で進みます。ファイルサイズが 85MB 近くあるので注意してください。

LET関西ウェブサイトでプログラムおよび要項集が公開されています(いずれもPDF)。

関西大学でみなさんにお会いするのを楽しみにしています。

CELES長野支部研究会

今日明日信州大学教育学部にて開催される中部地区英語教育学会(CELES)長野支部研究会で、以下のタイトルの講演を行います。

Input, interaction, and the roles of Japanese teachers of English: A second language acquisition perspective.

大枠は昨年12月のALT研修会での講演を踏襲したものですが、信州大学酒井ゼミ、静岡大学亘理ゼミの学生さんが多く参加されるとのことなので、日本人英語教員(とその希望者)向けにアレンジしてあります。

Slideshare

Input, interaction, and the roles of Japanese teachers of English: A second language acquisition perspective from Ken Urano

J-SLA2013 Workshop

8月20–22日に八王子セミナーハウスで開催される日本第二言語習得学会(J-SLA)2013年度夏季セミナーで、次の2つのワークショップを担当します(両方とも20日の午後を予定):

  1. 推測統計についてしっかり考える[有意性と効果量のはなし]
  2. Rを一緒に使ってみよう

このページでは、ワークショップのスライドや配布資料を公開します。完成次第随時アップロードする予定です。

1. 推測統計についてしっかり考える[有意性と効果量のはなし]

LET全国大会でのワークショップ「有意性と効果量についてしっかり考えてみよう」とほぼ同内容です。

参考文献一覧は、LET全国大会でのワークショップのページをご参照ください。

2. Rを一緒に使ってみよう

実際にRに触りながら、基本的な使い方、特にデータの読み込みと基本的な統計処理(作図、記述統計、簡単な推測統計)ができるようになることを目指します。

JASELE2013 Workshop

このページは、全国英語教育学会(JASELE)第39回北海道研究大会で行われたワークショップ「英語教育実践と研究の接点―研究の在り方と手法―」(担当:浦野研・水本篤)に関係する資料の保管・公開場所です。

要旨

全国英語教育学会には、学部生や大学院に入って間もない研究者のタマゴや、中高等で実践にあたる英語教員のみなさんの参加も多く、大会参加後に自分でも研究をやりたいと思う方もいらっしゃると思います。ただ、いざ研究を始めようと思ってもとっかかりが見つからず、何から手をつけてよいかわからない方もいることでしょう。

そこで本ワークショップでは、講師のふたりがこれまでに他学会等で行ってきた研究法に関するセミナーやワークショップの内容を基に、全国英語教育学会の年次大会や紀要(ARELE)で研究発表や論文投稿を行うための手がかりとなるお話をさせていただきます。具体的には、国内の英語教育系の学会でこれまでにどのような研究が行われてきたのか、そして行われてこなかったのかについて、研究内容(テーマ)と研究方法の両面から考察し、「こんな研究をやってみたらどうでしょう」といった提案をすることを目指します。

Ustream 動画(前半は映像がぼやけています。スライドとあわせてご利用ください。)

Slideshare

LET2013 workshop

(2016年8月追記)2016年に同じLET全国研究大会で類似のテーマのワークショップを行いました。情報も追加していますし、誤りも修正していますので、そちらをご利用ください。

LET2016 ワークショップ

このページは、2013年度外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会中に行われるワークショップ「有意性と効果量についてしっかり考えてみよう」に関係する資料の保管・公開場所です。

ワークショップ中も含めて、Twitter 等でのシェアを歓迎します。また、@uranoken までメンションを飛ばしていただければ、できる限りお返事します。

当日の Twitter でのつぶやきのまとめを作っていただきました。後半部分が浦野担当ワークショップ関連のつぶやきです。ワークショップ内容の補足としてご覧ください。

LET2013ワークショップつぶやきまとめ

スライド

効果量の計算のシート(Excelファイル。水本篤さん作成)—リンクが正しくなかったのを修正しました(2013.08.08)

参考文献(随時更新。書籍のリンク先はAmazonです。)

ワークショップ概要(大会ウェブサイト)より:

「効果量(effect size)」ということばを目にすることが多くなりました。統計ソフトの中には有意性検定(「p値」の計算)とセットで計算してくれるものもあり、有意確率(p値)とともに効果量を掲載する論文も増えてきましたが、それが何を意味するのかについて本文でまったく触れない論文もあり、だったらなぜ載せるのだと疑問に思うことがあります。

本ワークショップは、効果量とは何か、有意確率との類似点と相違点は何かなどを考えることで、効果量の意味を理解することを第一の目標とします。その理解に基づいて、表計算ソフトや無料のウェブサービスを利用して実際に効果量の計算ができるようになることも目指します。

Nation の “The Four Strands” の問題点

この記事は、nancarrow さんのブログ記事「Urano氏への返答」の回答として読まれることを念頭に置いて書いています。本来なら The Four Strands そのものについてもある程度解説した方がよいのですが、時間の関係でかなりはしょります。興味のある方は、Nation 自身の文献をお読みください。また、彼の最近の講演を聞いたことのある方は、だいたいこれと同じ話をしていると思います(僕も先日直接話を聞く機会がありました)。

以下の文献は英文ですが比較的短いです。

The four strands of a language course. (1996)
http://www.victoria.ac.nz/lals/about/staff/publications/paul-nation/1996-Four-strands.pdf

The four strands. (2007)
http://www.victoria.ac.nz/lals/about/staff/publications/paul-nation/2007-Four-strands.pdf

おことわり

最初に宣言しますが、僕は The Four Strands そのものに異議を唱えるつもりはありません。偏った教え方をしてはいけませんよというメッセージは納得できるものですし、外国語を教える際のおおまかな道しるべとしては意味のあるものだと思います。ただし、Nation の提案の一部には SLA 研究の成果とは結びつかないところもあり、SLA(や関連分野)の研究に基づく提案であるとは言えないことを指摘します。

次に、この投稿では Nation の提案が「科学的か否か」という問題には踏み込みません。何をもって「科学的」とするかはなかなか難しい問題で、科学哲学的に考えてとても重要なことではありますが、今回の議論の中心からは外れます。そこでこの記事では、「科学的」ということばは使わず、Nation の提案が「これまでの研究に基づいているといえるかどうか」と読み替えて話を進めます。参考までに、科学哲学については、以下の本が読みやすいかもしれません:

戸山田和久 (2005). 『科学哲学の冒険: サイエンスの目的と方法をさぐる』

僕の中では Nation は語彙習得の権威で、今までもその方向の文献は追ってきましたが、今回の The Four Strands については僕の守備範囲からは少し外れますし、上で紹介した文献も丁寧に読んだわけではありません。僕自身の理解にも誤りがあるかもしれませんので、その場合ご指摘いただければうれしいです。

The Four Strands

Nation は外国語授業の活動を次の4つに分類しています。

(1) meaning-focused input
(2) meaning-focused output
(3) language-focused learning
(4) fluency development

(1) と (2) がいわゆる意味重視の活動で、言語形式には(あまり?)意識を傾けず、インプットの内容を聞いたり読んだりして理解する活動と、自分のいいたいことを書いたり話したりして伝える活動です。(3) は発音、語彙、文法などを意識的に学習する活動で、フラッシュカードを使った語彙学習や発音ドリルといったものが含まれます。(4) は既に知っている知識を駆使して英語を使う活動で、インプット・アウトプットの両方が含まれます。未習の言語項目が含まれていないことが重要で、速読や時間制限つきのライティング活動で、外国語を使うことに「慣れる」ことを目指します。

Nation は以上の4つを strands(糸)と表現し、下図のように4つの活動がバランスよく配合されることが重要だと述べています。

four-strands (Nation, 2013, chapter 1 より)

ここでいう「バランスよく」というのは、授業での活動時間がほぼ均等(25%ずつ)になることだと Nation は主張しています。

Each strand should have roughly the same amount of time in a well balanced course that aims to cover both receptive and productive skills…. Ideally each strand should occupy about 25% of the course time. (Nation, 2007, p. 7)

“25%” には根拠がない

僕が言いたいのは、上述の4つの活動時間を 25% ずつに配分するという考えには研究に基づく根拠がないということです。Nation 自身も、”… giving equal time to each strand is an arbitrary decision. (p. 8)” と根拠がないことを認めているのですが、それでも結局は “25%” にこだわりを見せていますし、最近出版された What should every EFL teacher know(Nation, 2013)でも “Each of these strands should get an equal amount of time in the total course” と主張しています。

この点についていくつか反論があるのですが、長くなるのでひとつに絞ります。僕は、インプットとアウトプットにかける時間が同じ(それぞれ 25% ずつ)であるべきという点にものすごい違和感を覚えます。Nation は meaning-focused output を支持する主な研究として Swain のアウトプット仮説を用いていますが、アウトプット仮説が生まれた経緯を考えれば、インプットとアウトプットを同じ量にするのがよいという考えがおかしいとすぐにわかるはずです。Swain (1985) によれば、カナダのイマージョン教育でインプット重視(アウトプットが強制されることはほぼない)の環境で第二言語を身につける学習者は、母語話者と比べて文法的正確さのみ劣ることがわかりました。意味理解、流暢さ、社会言語学的能力等については母語話者と同等の能力が身につくのに文法的正確さだけが身につかない理由として、イマージョンではアウトプットを促される機会がなかったため、細かい文法的規則に意識が向かなかったからだと Swain は考え、これがアウトプット仮説の根幹となりました。

上述のように、アウトプット仮説も実はインプットを重視しています(イマージョン教育が出発点ですから当然ですね)。インプットだけでは足りない部分を補うためにアウトプットが役立つと理解するのがちょうどよいでしょう。こう考えれば、インプットとアウトプットの活動に割く時間を同じぐらいにするという Nation の主張は、研究に基づく根拠がないだけでなく、研究に基づいてできそうな提案(インプット重視でプラスαとしてアウトプットの機会も用意する)とも矛盾しそうです。

インプット重視という考えはアウトプット仮説だけのものではありません。インタラクション仮説(Long, 1996 など)もインプットが十分あることが大前提ですし、これまでの SLA 研究全体をまとめても、第二言語習得にはインプット(の理解)が最も重要な役割を果たすと理解してよいのではないかと考えています。

SLA の研究成果に基づいた提案であるならば、The Four Strands のバランスは少なくとも (1) meaning-focused input を他の3つ、特に (2) meaning-focused output よりもずっと重くする必要があるでしょう。インプットとアウトプットの活動に割く授業時間は同程度でいいですよとする Nation の提案は、この点でこれまでの SLA 研究の結果に基づくとは言えず、「SLA 研究では、インプットとアウトプットの量は同じぐらいが適切だということがわかっているんだ」という誤った考えが広まることを心配しています。

おわりに

日本の英語教育では、インプット量が絶対的に不足していることが繰り返し指摘されています。だからこそ僕は機会があるたびにインプットの量を増やす必要性を訴え、理解可能なインプットをどうやったら教師が提供できるかについても考えてきましたし、提案もしてきました。そんな中で Nation のこの提案を知り、少なくともこの “25%” という割合が研究に基づくものだと誤解されることだけは避けたいなと思っています。

Nation の提案の大枠自体は、たとえば「文法ドリルばっかりやっていないで、意味重視のインプットやアウトプット活動も授業でやってくださいね」とか、「インプットだけでは不十分なので、アウトプット活動も織り交ぜてくださいね」といったガイドラインとしては有効だと思います。少なくとも「4つの活動を 25% ずつやるのが望ましい」という部分だけは外してくれればと願っています。

携帯できるタブレット用スタンド

先ほど Twitter で続けてつぶやきましたが、せっかくなのでブログにまとめることにしました。

先日の で、iPad(第3世代)と pocket wifi を使って Ustream 中継をはじめてやってみました()。それほどの手間もかからず案外簡単にできたのですが、僕は iPad 用のスタンドを持っていませんでした。カメラを正面より少し上に向けなければならないため、スマートカバー(a.k.a. 風呂蓋)を逆巻きにして使ったところ(下の写真参照)、途中でバランスが崩れて iPad が転落する事故が発生しました(苦笑)。

近いうちにまた Ustream 中継をやってみたいなと思っていることもあり、携帯できるサイズの手頃なスタンドがほしいなとネットで探してみました。そこでみつけたのが、Portable Tablet PC Stand というそのまんまなネーミングの商品。1,400円*とそれほど高価でもないので早速注文しました。

届いたものを開封し、iPad mini と第3世代 iPad (僕は重Padと呼んでます)を乗せてみました。角度調節もできますし、見た目のバランスも悪くありません。Ustream 中継するには表裏を逆にして置くことになりますが、カメラ位置が塞がれることもありません。

折り畳めばとてもコンパクトで、長さも iPad mini の長辺より短く、とても軽いので専用のポーチに入れて持ち運ぶのも苦になりません。

普段は風呂蓋をスタンドにして使っているので出番はありませんが、Ustream 中継の時だけでなく、BT キーボードを使う際に iPad の角度調節をしたいときなどにも使えそうです。

*Amazon.co.jp では、販売元の WY Styleショップ の参考価格が2,980円となっているのでお得感がありますが、Amazon.com では定価が $17.95 となっているので(しかも今日現在の販売価格は $8.11)、あくまで「参考価格」と思っていただければと。1,400円で買えたのでボッタクリ感はありませんでしたが。

MacR のインストールから最初の起動

4月10日追記。開発者の今尾さんご自身が MacR のダウンロードサイトを用意してくださったので、そちらのリンクを紹介します。インストール方法等の説明はありませんので当ブログエントリーは残しておきますが、ファイル自体はこちらからダウンロードしてください。

MacR ダウンロードサイト https://sites.google.com/site/casualmacr/

2月23日のLET関西支部メソドロジー研究部会で正式に発表された MacR は、オープンソースの統計解析ソフト R に GUI を装備し、ドラッグ・アンド・ドロップなどを使いながら直感的に統計処理を行うことを目指した Mac OS X 専用のアプリケーションです。 製作者の今尾康裕さん(大阪大学)による正式なサイトが未完成で、マニュアルやチュートリアル的なものも未整備なため、とりあえずインストールをして使えるようになるまでの手順をこちらで紹介します。

  1. R をインストールする。MacR は R がインストールされた状態でしか使えないので、まずは http://www.r-project.org/ に行って R の最新版をインストールします。この記事を執筆している時点での最新版は 2.15.2 でした。R のインストールについては青木繁伸先生(群馬大学)のサイト(http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/begin.html)も参考になります。 R Project website
  2. ダウンロードしたファイル(R-2.15.2.pkg)をダブルクリックすると R のインストールが始まるので、指示に従ってください。
    Screen Shot 2013-02-25 at 3.32.52 PM
  3. 次に MacR をダウンロードします。すると MacRのダウンロードサイトに行き、Download ページで MacR beta をクリックすると MacR.dmg のダウンロードが始まります。
    Screen Shot 2013-04-10 at 1.02.05 AM
  4. ダウンロードした MacR.dmg をダブルクリックすると、解凍後フォルダが開きます。MacR(アプリケーション本体)を Applications/アプリケーションフォルダに移動してください。他のフォルダに移動しても動作しないので注意してください。スクリーンショットのように Applications/アプリケーションフォルダにコピーするためのエイリアスも同梱されました。
    Screen Shot 2013-02-25 at 3.33.16 PM
    Screen Shot 2013-04-10 at 1.05.38 AM
  5. MacR を起動すると初回に必要な R のライブラリのインストールが自動的に行われます。
  6. MacR で現在できる分析はこちらのスクリーンショットを参考にしてください。 MacR Stats Menu on Twitpic

以上です。MacR にはまだマニュアルがありませんが、Mac らしい使用感を念頭に作られているので、SPSS などの GUI ベースの統計解析ソフトを使ったことがある Mac ユーザならある程度スムーズに使えると思います。 MacRは OS 10.8 と R 2.15.2 で開発されていますが、OS 10.7 でも動くはずとのことです。それより古い OS だと動きませんのでご注意を。 公開されたといはいえ MacR はまだまだ開発中のソフトですから、不具合などの問題があることを前提に使う必要はありますが、不具合を発見したり、「ここはこうなっていると便利」といったコメントがあれば製作者の今尾さんに情報提供すると、修正版を用意してもらえるかもしれません。 今尾さんへの連絡先はこちらのページでご確認を。Twitter をご利用の方は @casualconc 宛でも大丈夫だと思います。 取り急ぎ書いたので情報不足な印象もあると思いますが、まずは使いはじめるところまでのステップをお伝えするため投稿します。

関連情報:

更新情報

  • 4月10日にダウンロードサイトについての情報を加えました。